株価指数先物 【週間展望】 ―米国市場との連動性が高まりやすくなる

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先物

 今週の日経225先物は、決算発表がピークを通過したことで手掛かり材料に欠けるなか、米国市場との連動性が高まりやすくなりそうだ。そのうえで、トランプ次期政権に備えた動きに加えて、11月20日に発表が予定されるエヌビディアの決算に投資家の関心が集まろう。

 15日の米国市場では主要な株価指数が下落した。13日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIが堅調な伸びを示したほか、14日発表の米卸売物価指数(PPI)も予想通りの伸びだった。新規失業保険申請件数は予想を下回り、労働需要が健全であることが示された。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日の講演で、利上げを急ぐ必要はないとの見解を示している。

 15日に発表された10月の米小売売上高は、前月比0.4%と市場予想(0.3%増程度)を上回ったほか前月分も上方修正した。また、11月のNY連銀製造業景況指数はプラス31.2となり、予想を大きく上回った。足もとの堅調な経済指標の結果を受けて長期金利は上昇基調を続けており、15日には一時4.50%と6月上旬以来の高水準を付けている。FRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が高まったほか、来年の利下げペースが緩やかになるとの見方から米株式市場では利益確定の売りが優勢となった。

 また、トランプ次期大統領による閣僚人事の選出が物色に変化をもたらしている。対中強硬派として知られる共和党議員2人を国務長官と国家安全保障担当補佐官に選出したことで、中国からの輸入品への関税引き上げや対中規制の強化が警戒されて、半導体株には持ち高調整の売りが強まっている。さらに、大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める「トリプルレッド」が実現することで、トランプ次期大統領が政策を推進しやすくなるとみられる。

 なお、厚生長官には新型コロナウイルスのワクチンに懐疑的な立場だったロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表。15日の米国市場ではモデルナやファイザー、アムジェン、イーライ・リリーなどの医薬品株が大幅に下げた。

 市場の注目を集めるエヌビディアの決算発表だが、同社は8日からNYダウの構成銘柄に採用されている。そのため、その株価は他半導体株だけではなくNYダウにも影響を与えることで、東京市場におけるインパクトは大きくなりそうだ。

 日経225先物は15日の取引終了後のナイトセッションで米株安の影響を受け、一時3万7780円と節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。これにより支持線として意識されていた200日移動平均線(3万8280円)を割り込み、一気に75日線(3万7800円)水準まで下落した。ボリンジャーバンドの-2σ(3万7800円)まで下げてきたことで、いったんは売られ過ぎが意識されやすいと考えられる。

 ただし、-2σを下回ってくる局面では、10月28日に付けた直近安値の3万7650円のほか、この水準を下回ると-3σ(3万7240円)辺りと、下へのバイアスが強まる可能性がある。一方で、売られ過ぎからリバウンドをみせてくるようだと、200日線のほか25日線の3万8910円が意識されてこよう。まずは、リバウンドからオプション権利行使価格の3万8000円から3万8500円のレンジを想定。エヌビディアの決算を受けて荒い値動きになる局面では3万7000円から3万9000円と広めのレンジをみておきたい。

 15日の米VIX指数は16.14(前日は14.31)に上昇した。前日に一時13.59まで下げる場面もみられており、いったんはリバウンドが入りやすいところであろう。引き続き不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であり、リスク選好の流れにある。ただし、200日線(15.84)を上回ってきたことで、やや市場心理を神経質にさせる可能性はありそうだ。

 先週のNT倍率は先物中心限月で14.27倍に低下した。足もとで低下傾向が続くなか、支持線として意識されていた75日・200日線を下回ってきた。両線が位置する14.28倍辺りが抵抗線として機能してくると、NTショートに振れやすくなりそうだ。一方で、いったんは反転が意識されやすいとみられ、エヌビディアの決算で物色に変化がみられるかが注目される。

 11月第1週(11月5日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は7661億円(10月第5週は3372億円の売り越し)だった。なお、現物は1938億円の買い越し(同1885億円の売り越し)と4週ぶりの買い越しであり、先物は5723億円の買い越し(同1487億円の売り越し)と2週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で8713億円の売り越しで2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で403億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。

 主要スケジュールでは、11月18日に9月機械受注、G20サミット(~19日)、19日に米国10月住宅着工件数、20日に10月貿易統計、中国11月最優遇貸出金利、エヌビディア決算、21日に米国11月フィラデルフィア連銀景況指数、米国10月コンファレンス・ボード景気先行指数、米国10月中古住宅販売件数、22日に10月全国消費者物価指数、米国11月製造業PMI、米国11月サービス業PMIなどが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
12月限 日経225 32639.57  TOPIX  2343.77
01月限 日経225 36025.97  TOPIX  2513.46
02月限 日経225 37018.07  TOPIX  2563.93
03月限 日経225 39863.92  TOPIX  2716.15
04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89
05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75
06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56
07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54
08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68
09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41
10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72
11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 11月15日  38660  39130  38600  38670  +90
24/12 11月14日  38720  39110  38490  38580  -70
24/12 11月13日  39500  39540  38610  38650  -760
24/12 11月12日  39610  39880  39140  39410  -140
24/12 11月11日  39540  39620  38960  39550  +50

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
24/12 11月15日  2709.0  2736.5  2705.5  2709.5  +6.5
24/12 11月14日  2707.0  2738.0  2696.0  2703.0  -2.0
24/12 11月13日  2745.0  2749.0  2701.0  2705.0  -38.5
24/12 11月12日  2743.0  2772.5  2733.0  2743.5  +2.5
24/12 11月11日  2746.0  2755.5  2708.0  2741.0  -4.0

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
11月15日(12月限) 38015  -655
11月14日(12月限) 38970  +390
11月13日(12月限) 38970  +320
11月12日(12月限) 39260  -150
11月11日(12月限) 39635  +85
 ※前日比は大阪取引
所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い    前週末比
11月08日    2720億円  +513億円 1兆3932億円  +1980億円
11月01日    2207億円  +518億円 1兆1951億円  -812億円
10月25日    1688億円  -85億円 1兆2764億円  -6063億円
10月18日    1774億円  +71億円 1兆8828億円  -1484億円
10月11日    1702億円  +378億円 2兆0312億円  +1765億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
11月13日    7934万株    -52万株  5億8087万株   +783万株
11月12日    7987万株   +158万株  5億7348万株   +31万株
11月11日    7828万株   +237万株  5億7317万株   -83万株
11月08日    7591万株   +1693万株  5億7400万株   +430万株
11月07日    5898万株    -24万株  5億6970万株   +2667万株
11月06日    5922万株    -99万株  5億4302万株   -351万株
11月05日    6022万株   -438万株  5億4654万株   +2121万株
11月01日    6461万株   +1187万株  5億2532万株   -6274万株
10月31日    5273万株    -58万株  5億8806万株   +628万株
10月30日    5332万株   -1036万株  5億8178万株   +15万株
10月29日    6368万株   +341万株  5億8163万株   -620万株
10月28日    6026万株   +545万株  5億8783万株   +1836万株
10月25日    5481万株   -101万株  5億6947万株   -5957万株
10月24日    5582万株      0株  6億2904万株   -1億3454万株
10月23日    5582万株    +2万株  7億6358万株   -5106万株
10月22日    5580万株      0株  8億1465万株   -272万株
10月21日    5580万株      0株  8億1738万株   -788万株

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