米大統領選の結果待ちの中、ドル売り強まる ドル円は151円台半ばに下落=NY為替概況
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米大統領選の結果待ちの中、ドル売り強まる ドル円は151円台半ばに下落=NY為替概況 きょうのNY為替市場はドルの戻り売りが強まり、ドル円は151円台半ばに下落している。一時151.35円付近まで下落する場面も見られた。市場は本日の米大統領選の投開票に焦点を集めており、前日に引き続きその結果待ちの雰囲気が強まった。 通常であれば日本時間の明日6日午後には大勢が判明するが、今回も2020年の大統領選同様に混迷が予想されており、すぐに結果は判明しないのではとの声も聞かれる。週末、場合によっては年末までかかるとの声もあるようだ。 為替市場のシナリオはトランプ氏であればドル高、ハリス氏であればドル安との見方も出ている。一方、トランプ氏であっても、市場はこれまでのトランプトレードで、それを十分に織り込んでおり、一旦材料出尽くしのドル売りのリスクも留意されるとの声も出ている。逆にハリス氏勝利であれば、短期的にドル安が急速に進むとの声もあるようだ。 どちらにしても一時的な動きであり、ドルは年末にかけて買われるとの声も多く聞かれる。 ドル円についてはトランプ氏勝利かつ議会も共和党が席巻するスウィープになれば、155円台まで上昇との予想も出ている。一方、ハリス氏勝利で下院が民主党であれば、一旦150円を割り込むとの見方もあるよだ。 ユーロドルは1.09ドル台に買い戻された。本日は米大統領選の結果をにらんだ展開が見られていたが、結果判明直後はトランプ氏でもドル売りの反応との見方も出ているようだ。ユーロドルは本日の上昇で200日線を上放れする動きが見られており、本格的なリバウンド相場に入るか注目される。 EUへの関税の脅威から、トランプ勝利の可能性に対してユーロは最も脆弱と見られている。しかし、そのシナリオは先週までにかなり織り込まれている状況。結果がいつ判明するか未知数な部分も大きいが、一旦ユーロドルは売りで反応してとしても、「噂でドルを買って、ニュースで売る」反応が一時的に強まる可能性も指摘されている。 一方、ハリス氏勝利ならユーロドルは買いが加速し、1.10ドルを超える可能性があるという。市場でのハリス氏勝利の織り込み度合いがトランプ氏に比べれば小さいことから、ある意味サプライズとなるようだ。 ポンドドルは買い戻しが優勢となり、ここ数日上値を拒んでいた1.30ドル台を回復。きょうの上げで100日線と21日線を上回り、米大統領選を受けた明日以降の動きが注目される。 きょうは英10年債の入札が実施されていが、需要は約1年ぶりの低水準となった。リーブス英財務相が10月30日に発表した拡張的な予算案と、米大統領選に対する投資家の根強い不安が反映された模様。英政府は10年債を37.5億ポンド発行していたが、今回の応札倍率は2.81倍で、昨年12月以来の低水準となった。先月行われた同様の入札では、3.25倍の応札倍率であった。 財政ルールを変更し、借り入れを増やして投資を促進する今回の予算案に対し、市場では物価上昇や財政圧迫への懸念が台。予算案発表後の英国債は急速に下落し、利回りが上昇していた。格付け会社ムーディーズは英予算案について、パンデミック以降で最も積極的な財政緩和で、財政に新たな課題をもたらすと指摘している。市場の一部には、今回の予算は機能しないのではとの懸念もあるようだ。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美