話題株ピックアップ【夕刊】(1):山パン、カバー、四国電

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■エレマテック <2715>  2,105円   +400 円 (+23.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 エレマテック<2715>がストップ高。豊田通商<8015>が29日の取引終了後、エレマテックに対し、完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。買付価格は1株2400円としており、エレマテックの株価はこれにサヤ寄せする動きをみせた。買付期間は10月30日から12月11日まで。買付予定数の下限は329万1600株(所有割合8.04%)で、上限は設定しない。エレマテックは豊田通商を連結子会社化していたが、TOBを通じて完全子会社化することで、グループの経営資源を効果的に活用し、相乗効果を生み出していく。エレマテックはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。TOB成立後、エレマテックの株式は所定の手続きを経て、上場廃止となる見通し。東京証券取引所は29日、エレマテックを監理銘柄(確認中)に指定した。

■コムチュア <3844>  2,280円   +400 円 (+21.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率2位
 コムチュア<3844>に大量の買い注文が入り、カイ気配のまま急速に株価水準を切り上げ、ストップ高水準の2280円に買われた。同社は独立系システムインテグレーターでクラウド支援サービスに重心を置いており、法人を対象にクラウドを中心としたシステムの提案・導入・運用などをワンストップで提供できる強みを武器に業績は急成長路線をまい進している。29日、一部の金融情報メディアが有料会員向け英文記事において同社株式の非公開化を報じたことが株価を強く刺激している。会社側では「企業価値及び株式価値向上に資する様々な選択肢を常に検討しているが、現時点において第三者との間で非公開化の検討を進めている事実はない」とコメントしているが、株価は2021年末に上場来高値3695円を形成してからは大幅な調整を入れ、時価は月足チャートで底値圏にあることで、株高修正余地の大きさに着目した投資資金の流入を促す格好となった。

■山崎製パン <2212>  3,092円   +410.5 円 (+15.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 山崎製パン<2212>が続急伸。29日の取引終了後に発表した第3四半期累計(1~9月)連結決算が、売上高9195億9300万円(前年同期比8.7%増)、営業利益387億8500万円(同39.2%増)、純利益268億600万円(同42.1%増)と大幅増益となったことが好感された。昨年7月に実施した価格改定の効果に加えて、製品の価格に幅をもたせ価格帯ごとに隙のない製品対応を行う2極化・3極化戦略が奏功し食パン、菓子パンが好調に推移したことが牽引。また、子会社業績の改善も寄与した。なお、24年12月期通期業績予想は、売上高1兆2340億円(前期比5.0%増)、営業利益545億円(同29.9%増)、純利益365億円(同21.0%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、25年1月1日出荷分からパン製品の一部と和洋菓子製品を値上げすると発表しており、これも好材料視された。対象となるのは「ロイヤルブレッド」「超芳醇」などの食パンと「高級つぶあん」「ミニスナックゴールド」などの菓子パン、「北海道チーズ蒸しケーキ」「まるごとバナナ」などの和洋菓子で、平均5.6%値上げする。

■カバー <5253>  1,748円   +191 円 (+12.3%)  本日終値
 カバー<5253>が急伸。同社はVチューバープロダクションを運営、海外展開にも傾注しており、前期実績ベースで売上高の3分の1は米国やアジアなど海外で占めている。業績はここ数年来絶好調に推移しているが、足もとでも会社側の想定を上回って推移している。29日取引終了後に25年3月期上期(24年4~9月)の業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の24億100万円から31億7000万円(前年同期比38%増)に大幅増額、これを好感する買いを呼び込んだ。

■四国電力 <9507>  1,372.5円   +148 円 (+12.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 四国電力<9507>が大幅高で3連騰。29日の取引終了後、25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。今期の最終利益予想を185億円増額して545億円(前期比9.9%減)に引き上げており、ポジティブ視した買いが入ったようだ。燃料価格などの見直しに伴い、需給関連収支の好転が見込まれるという。一方、売上高予想は140億円減額して8380億円(同6.4%増)に修正した。卸販売の電力量がこれまでの想定を下回る見通し。小売電力量の見通しは小幅に引き上げた。9月中間期の売上高は前年同期比4.4%増の4183億8000万円、最終利益は同15.3%減の413億300万円だった。

■ジェコス <9991>  982円   +102 円 (+11.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位
 ジェコス<9991>が3連騰、マドを開けて急伸した。29日の取引終了後、これまで15円としてきた中間配当を20円で決定するとともに、期末配当予想を6円増額して28円にすると発表した。年間配当予想は48円(前期比8円増配)となり、ポジティブ視されたようだ。同社は次期中期経営計画の期間中である2025~27年度の配当方針について、配当性向を従来の30%程度から40%程度に引き上げ、DOE(株主資本配当率)を2.5%以上とする。今年度から新たな配当方針を早期適用し、今期の配当額の予想を修正する。同時に発表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比13.2%減の537億8100万円、最終利益が同9.0%減の17億5600万円だった。

■ディスコ <6146>  45,320円   +4,570 円 (+11.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 ディスコ<6146>が急騰、一時前日比13%を超える上昇で4万6000円台まで駆け上がった。売買代金は全市場を通じて群を抜き、株価も5日・25日移動平均線を大陽線で上放れマーケットでも注目が集まっている。生成AI市場の急成長が続くなか、AIサーバーに使われるAI用半導体需要も急増しており、特に画像処理半導体のGPUとセットで搭載される高速DRAM技術を代表するHBM(広帯域メモリー)にも高水準のニーズが発生している。そうしたなか、市場では「同社は研削や研磨などHBM向けの精密加工装置で恩恵を享受しており、足もと出荷が急増傾向にあることが好感されたもようだ」(中堅証券ストラテジスト)としている。株価は9月9日に年初来安値3万1730円をつけたが、これは7月中旬につけた上場来高値6万8850円半値以下の水準。わずか2カ月間での急落であり、時価も戻りは限定的であることから、実態との比較で目先水準訂正を見込んだ機関投資家とみられる大口の買いを呼び込んでいる。

■四国化HD <4099>  2,080円   +181 円 (+9.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 四国化成ホールディングス<4099>は後場に急伸。30日の正午、24年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比13.3%増の529億9900万円、営業利益は同23.3%増の75億5500万円だった。営業利益の通期計画に対する進捗率は約92%に上り、堅調な業況を評価した買いが株価を押し上げたようだ。最終利益は同3.7%増の67億6400万円で、通期計画に対し進捗率は約86%だった。化学品事業において海外市場での販売が好調に推移した。1~9月期の売上高と営業・経常・最終利益はいずれも過去最高を記録した。

■フジテック <6406>  5,286円   +447 円 (+9.2%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率8位
 フジテック<6406>が後場に急騰。一時ストップ高の水準となる前営業日比700円高の5539円に買われ、上場来高値を更新した。この日、英紙フィナンシャルタイムズ電子版がフジテックに関し、プライベートエクイティーファンドへの売却を検討していると報じた。売却時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した買いが集まったようだ。

■黒崎播磨 <5352>  2,438円   +197 円 (+8.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 黒崎播磨<5352>が大幅高。29日取引終了後、25年3月期連結業績予想について純利益を118億円から123億円(前期比0.9%減)へ上方修正すると発表した。あわせて配当予想を増額しており、これらが好感され買われた。政策保有株式の売却益を特別利益として計上するため。売上高、営業利益予想に変更はない。配当予想については期末配当を45円から60円に引き上げた。年間配当額は105円(前期は株式分割考慮ベースで100円)となる見通し。

株探ニュース

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