ドル円、一時151円台半ばまで下落 過熱感は否めず上げ一服=NY為替概況

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ドル円、一時151円台半ばまで下落 過熱感は否めず上げ一服=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は戻り売りに押され151円台に下落。一時151円台半ばまで下落した。前日は上げの勢いが加速し、153円台まで一気に上昇していたが、米大統領選を前にしたドル高と米国債利回り上昇でドル円のリバウンド相場を加速させていたようだ。

 しかし、さすがに過熱感は否めず、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは前日に買われ過ぎの水準である70を超えていた。本日は米国債利回りも下げており、ドル円も上げ一服となったようだ。

 全体的なドル高の流れがドル円のフォローとなっているが、FRBの利下げペースへの期待の後退のほか、再来週に迫った米大統領選でトランプ氏が勝利し、共和党が上下両院も席巻する、いわゆるスウィープを見込んだ動きが出ていると指摘も出ている。ただ、それも今週までの動きでだいぶ織り込みが進み、この先の上値余地は限定的との声も聞かれる。

 ドル円は以前とは状況が違うことから、160円を再び試すとの見方まではまだ少数派だが、155円は視野に入れるとの見方は増えつつあるようだ。

 ユーロドルは買い戻しが入り、1.08ドル台に戻している。本日はワシントンを訪問しているECB理事のナーゲル独連銀総裁の発言が伝わり、「利下げを急ぎ過ぎるべきではないが、柔軟性は維持している」と述べた。市場では次回12月ECB理事会での利下げ幅を巡って見方が分かれているが、理事の間でも見解が分かれている。

 0.25%ポイントの通常利下げのみを主張する理事がいる一方、0.50%ポイントの大幅利下げも選択肢にあるべきと主張している理事もいる。ナーゲル独連銀総裁は後者と見られているが、その通りの発言内容となっていた。ドイツ経済が混迷しており、再びマイナス成長が警戒される中で、通常であればタカ派な独連銀も景気に配慮した姿勢を滲ませているようだ。

 ポンドドルも買い戻しが膨らみ、一時1.2990ドル付近まで上昇。本日1.2965ドル付近に来ている100日線を回復する場面も見られたが、1.30ドルを回復することなく、100日線付近での推移となった。

 来週30日にリーブズ英財務相が、秋季予算案を議会に提出する予定で市場も注目している。先ほど同財務相のインタビューが伝わり、「予算編成では債務を異なる方法で測定する」と述べた。具体的な詳細は議会の予算演説で述べるとしている。また、「公共部門への純投資の減少は望んでおらず、予算に十分な余裕を持たせる」とも語っていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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