ドル円、一時153円台まで一気に上昇 200日線突破で上値追いに安心感=NY為替概況

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ドル円、一時153円台まで一気に上昇 200日線突破で上値追いに安心感=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は上値追いを加速させ、一時153円台まで一気に上昇した。今週に入って上げの勢いが増し、151.35円付近に来ている200日線を突破したことで上値追いに安心感が出たようだ。

 為替市場は米大統領選や中東リスクに絡んでドル買いが加速している。米大統領選について市場では、トランプ氏が勝利するシナリオを織り込んでいる節もあるが、ハリス氏でもシナリオはドル高と見ているようだ。程度はあれ、どちらも財政は拡大方向と見られている。

 トランプ氏のホワイトハウスへの返り咲きのほか、議会も共和党が席巻する、いわゆるスウィープの状況になれば、ドル高の勢いはさらに増すとも見られているようだ。ただ、下院については民主党が優勢とも見られており、基本的に米大統領選も接戦でどちらが勝つかわからない。

 ドル円については日曜日の衆院選での自民党の苦戦が報じられており、政治的な不安定が日銀の利上げに影響するのではとの見方もドル円を後押ししている状況に変化はない。いずれにしろ、FRBの利下げペースに対する基本的な変化を背景に、ここに来て日米の政治リスクがドル円を押し上げている模様。

 ユーロドルは下値模索が続き、一時1.0765ドル付近まで下落。先週200日線をブレイクし、下値サポートとして意識された1.08ドルも割り込んだことで、更なる下値模索の動きが出ている模様。1.08ドルを早期に回復できないようであれば、目先は1.07ドルと、6月にサポートされた1.0665ドルを視野に入れそうな気配ではある。

 オプション市場ではユーロ弱気への賭けが優勢となっている。1カ月物リスクリバーサルは3カ月以上で最も弱気な水準で推移。1.05ドルも想定ターゲットとなっているとの指摘も聞かれる。これはFRBとECBの金利の方向性の見直しと、米大統領選のリスクに対するポジショニングを反映しているという。

 ポンドドルも下げを加速させ、一時1.29ドル台前半まで下げ幅を拡大。きょうの下げで1.2965ドル付近に来ている100日線を下回っており、さらに下値を試しに行くか注目される。本日のポンドは対ユーロでも下落。

 きょうはベイリー英中銀総裁の講演が伝わっていたが、ポンドドルは買い戻しの反応を見せていた。明日に10月調査の英PMIの発表が控える中、ベイリー総裁が追加利下げの可能性を示唆するようであれば、ポンドは売りの反応を示す可能性も一部から出ていた。

 本日はカナダ中銀が政策委員会の結果を発表し、政策金利は予想通りに0.50%の大幅利下げを実施した。声明では「今後の利下げ時期とペースはデータ次第」とし、「経済が予想通りに進展すれば、さらなる利下げの可能性がある」と再言及している。ただ、ほぼ予想通りの内容にカナダドルの反応も限定的となっていた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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