ドル円は151円台に上昇 ドル高が続く トランプ氏への備えとの指摘も=NY為替概況
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ドル円は151円台に上昇 ドル高が続く トランプ氏への備えとの指摘も=NY為替概況 きょうもNY為替市場、ドル円は151円台に上昇。市場はFRBの利下げへの期待を後退させており、米国債利回りも上昇する中、為替市場はドル高が続いている。そのような中でドル円は、前日の上げの勢いから、上値追いへの安心感が出ていたようで、リバウンド相場を加速させている。目先は151.35円付近に200日線が控えており明日以降、試しに行くか注目される。 一部からは今回のドル高について、トランプ氏が提案する関税が世界貿易を混乱させるリスクに備えているとの指摘も出ていた。米商品先物協会(CFTC)が先週末に発表したIMM投機筋の建玉報告によると、ファンド勢はここ数週間、人民元とメキシコペソに対するショートポジションを増やしているという。トランプ政権下で米主要貿易相手国の通貨に対する需要が落ち込むと見て、こうした売りを仕掛けているようだと分析している。 この2週間の賭け市場でのトランプ氏勝利へのオッズ上昇と並行する形で、人民元とメキシコペソの対ドルのボラティリティーが急上昇している。アナリストは「米国への輸入関税引き上げの現実味が増している。個々の新興国への直接的な影響だけではなく、世界貿易への連鎖的な影響も予想される」と述べている。 ユーロドルの下値模索が続き、1.08ドルを割り込んだ。1.08ドル割れは8月2日以来。ドル高もさることながら、ECBの追加利下げへ期待も強まっており、両中銀の方向感の違いから売りが強まっている状況。1.08ドルを完全に割り込むようであれば、1.07ドルまでの到達は早いとの声も出ている。 本日はラガルドECB総裁を始め、ECB理事の発言が相次いでいた。総裁は「段階的な利下げが発信されている」と述べていたほか、エスクリバ・スペイン中銀総裁は、ユーロ圏のインフレは来年もECBの目標である2%前後で安定する可能性が高いとの見方を示した。「消費者物価はこれより大幅に上昇することも大幅に下落することも無いだろう」と地元紙に語った。 9月のECBスタッフの見通しでは、2025年にはインフレが望ましい2%の水準付近で推移すると予測しており、これは依然として中心的な見解であるとも述べていた。 ポンドドルは1.29ドル台での取引。英中銀の利下げを巡って様々な見方が出ているが、11月は利下げが確実視されているものの、12月については見解が分かれている。インフレは英中銀の年内2回の利下げを正当化するものの、景気に関してはユーロ圏とは違い、英経済は底堅く推移しており、英中銀が利下げを急ぐ必要はないとの見方も少なくない。 また、今月30日にリーブス財務相が公表する秋季予算案も英中銀の行動に影響を及ぼすとの見方も出ている。リーブス財務相は前任者と比較して、今後数年間は緩和的な財政政策を主導する可能性が高く、そのため英中銀は金利を通常よりも高く維持する必要があるという。最大0.50%ポイントほど高めに設定する必要があると予測しているようだ。 利下げサイクルを妨げるほどではないが、英中銀が他国よりもやや緩やかなペースで動く可能性があることを示すもう1つの理由だという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美