前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■IDOM <7599>  1,031円 (-252円、-19.6%)

 東証プライムの下落率トップ。IDOM <7599> [東証P]が3日ぶり急反落。21日の取引終了後、中古車販売事業を展開する同社とグッドスピード(名古屋市東区)について、損害保険各社に対し保険金の不正請求が行われていた疑いがあるとして、金融庁が2社に立ち入り検査をしていることが明らかになったと国内メディアが相次いで報じた。今後の事業展開への影響を懸念した売りが出たようだ。報道によると、旧ビッグモーターで保険金不正請求問題が発覚したのを受け、金融庁は2社においても、保険金の水増し請求の疑いがあるとみて検査をしているもようだという。IDOMに関しては、自動車保険契約の見返りとして車両販売価格を割り引くといった保険業法の違反行為の疑いも浮上していると、東洋経済オンラインは伝えている。なお、ガソリンスタンド運営の宇佐美鉱油(愛知県津島市)の子会社となったグッドスピードは、8月23日に東証グロース市場において上場廃止となっている。

■バンクオブイ <4393>  4,600円 (-1,000円、-17.9%) ストップ安

 バンク・オブ・イノベーション <4393> [東証G]がストップ安。21日の取引終了後、セガサミーホールディングス <6460> [東証P]傘下のセガから9月30日付で特許権侵害差止等請求訴訟を提起されたと発表。これを受け、先行き不透明感を嫌気した売りが優勢となった。セガ側はバンクオブイが提供する「メメントモリ」に関するゲームプログラムなどの差し止め請求に加え、損害賠償請求として10億円と遅延損害金の支払いを求めている。バンクオブイでは、自社サービスが特許権を侵害しているとの事実は無いと認識しているとし、訴訟がどのような結果になったとしても必要な対策を講じることでサービスを継続していく方針とした。

■ベースフード <2936>  341円 (-67円、-16.4%)

 ベースフード <2936> [東証G]が3日ぶり急反落。21日の取引終了後、メルコホールディングス <6676> [東証S]社長の牧寛之氏がベースフードの株式を買い増していたことが明らかとなった。同日、関東財務局に提出された報告書によると、保有割合は10.52%から12.23%に上昇した。保有目的の項目には「主要株主として長期安定保有」と記載。報告義務発生日は21日となっている。もっともベースフードの株価は直近で急騰劇を演じていたとあって、買い増し判明に対して買い向かう姿勢は限られており、短期的な過熱感が強まるなかで利益確定目的の売りが優勢となった。

■両毛システム <9691>  2,267円 (-178円、-7.3%)

 両毛システムズ <9691> [東証S]が4日ぶり急反落。22日午後1時ごろに発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算は、売上高84億7900万円(前年同期比1.2%増)、営業利益6億3500万円(同23.8%減)となった。期首予想の営業利益5億円を上回って着地したものの、18日に上方修正を発表済みであることから、材料出尽くし感から売られたようだ。なお、25年3月期通期業績予想は、18日発表の修正予想値である売上高215億円(前期比18.3%増)、営業利益20億円(同8.1%増)を据え置いている。

■東京製鉄 <5423>  1,853円 (-91円、-4.7%)

 東京製鉄 <5423> [東証P]が大幅安で5日続落。同社は21日、11月の鋼材価格を公表。全品種で価格を据え置いた。10月に価格を大幅に引き下げていた。鋼材需要が低調ななかで、市況の早期底入れを図るのが狙いのようだ。7~9月の間は東京地区での鉄スクラップ価格は下落圧力が掛かり、東京製鉄にとって仕入価格の抑制効果が収益を下支えすると期待されてはいるものの、出荷数量が好転しないままではトップライン自体が下振れするリスクもあることから、需要環境に対する慎重な見方をもとにした売りが続いたようだ。

■リベラウェア <218A>  454円 (-21円、-4.4%)

 Liberaware <218A> [東証G]が大幅安で8日続落。22日午前11時ごろ、同社が開発した狭小空間点検ドローン「IBIS」が、韓国政府機関が募集する「ドローン活用検査導入プロジェクト」に、大規模ボイラーの効率的な点検ツールとして採用されたと発表し、これを好感する形でプラスに転じる場面もあったが、買いが続かなかったようだ。同プロジェクトは、重大災害防止を目的とした大規模ボイラーの安全管理強化を目指したもので、ボイラーの検査時にドローンが撮影した映像を活用し、従来の足場設置や人力による点検ではアクセスが難しい場所の検査を実施。これにより、点検業務の安全性と作業効率を大幅に向上させるほか、3Dデータ処理技術と連携し、腐食やクラックなどの異常箇所の正確な把握を可能とする。同社では今回のプロジェクト参加により、更に多くの国際市場への提供を目指すとしている。

■西松屋チェ <7545>  2,320円 (-101円、-4.2%)

 西松屋チェーン <7545> [東証P]が大幅安で6日続落。21日の取引終了後に発表した10月度(9月21日-10月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比4.1%減と4ヵ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。育児・服飾雑貨の売り上げは好調に推移したものの、気温の高い日が多かったことで秋物衣料や冬物衣料の売り上げが前年を下回った。なお、全店売上高は同1.9%減だった。

■スピー <4499>  2,393円 (-77円、-3.1%)

 Speee <4499> [東証S]が大幅反落。22日午前11時30分ごろ、子会社Datachainが、Progmat(東京都千代田区)と開発中のSwift(国際銀行間通信協会)システムと連携したステーブルコインによる国際送金システムに関して、特許出願が完了したと発表しており、好材料視された。両社は24年9月に、クロスボーダーステーブルコイン送金基盤構築プロジェクト「Project Pax」を発表したが、今回の特許出願は同プロジェクトで開発中のシステムに関するもの。今後、国際出願及び主要国での特許出願も予定しており、これら一連の動きにより、両社は、ステーブルコイン国際送金システムのグローバル市場でのシェア拡大を目指すとしている。

■日経レバ <1570>  26,290円 (-820円、-3.0%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反落。一時1100円を超える下げでフシ目の2万6000円大台を割り込む場面があった。日経平均株価に連動する仕組みに組成されたETFで、株価変動率が2倍に基本設定されているのが特徴。全体波乱含みの地合いで目先短期筋の売り買いが活発化している。22日は寄り後に先物主導で仕掛け的な売りが入り、日経平均が一時700円超の急落に見舞われており、リンクされた日経レバも急速に下値模索の動きとなった。売買代金も全上場銘柄を通じて第2位にランクインした。

■OKI <6703>  995円 (-23円、-2.3%)

 沖電気工業 <6703> [東証P]が続落。22日の午前中、アストロスケールホールディングス <186A> [東証G]子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担うアストロスケールから、人工衛星のユニットの生産を受注したと発表したが、市場の反応は限定的のようだ。今後、評価サンプル、試験用サンプルの評価を経て、実証へ向けて順次納入していくという。今回の受注により、OKIは成長を続ける宇宙分野における実績と生産ノウハウを獲得することになり、今後の「宇宙品質」のモノづくり拡大につなげるとしている。

■コーテクHD <3635>  1,541円 (-29円、-1.9%)

 コーエーテクモホールディングス <3635> [東証P]が反落。21日の取引終了後、集計中の9月中間期連結業績について、営業利益が従来予想の80億円から100億円(前年同期比27.8%減)へ、純利益が100億円から150億円(同10.7%減)へ上振れて着地したようだと発表したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。売上高は380億円から350億円(同11.9%減)へ下方修正したものの、パッケージゲームのリピート販売やスマートフォンゲームの収益が増加したことや費用が減少したことが利益を押し上げた。また、金融市場の動向を注視しながら運用を行ったことで、営業外収支が計画を上回る見込みであることも寄与した。

■パルHD <2726>  3,170円 (-50円、-1.6%)

 パルグループホールディングス <2726> [東証P]が反落。同社は22日、9月の月次売上概況を発表した。既存店売上高はネット通販を含めると前年同月比1.4%増。増収は確保したが伸び率は8月の4.6%から鈍化した。更に、小売既存店売上高は前年同月比0.8%減と減収となっており、嫌気されたようだ。月末近くの気温の低下で秋物商品は販売が上向いた一方、6月に発生したサーバートラブルで発注が抑制気味になったことが響いた。10月以降はサーバートラブルの影響は払しょくできるという。全店売上高はネット通販を含めて同7.5%増となった。

※22日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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