ドル円、150円台を回復 米小売売上高が米個人消費の底堅さを示す=NY為替概況
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ドル円、150円台を回復 米小売売上高が米個人消費の底堅さを示す=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は150円台を回復した。朝方発表の9月の米小売売上高が予想以上に強い内容となったことで為替市場はドル買いが優勢となった。米小売売上高は米個人消費の底堅さを示し、短期金融市場ではFRBの利下げ期待を若干後退させている。11月は80%超の確率で0.25%の利下げを見込んでいるものの、12月については60%程度まで確率が低下。米国債利回りも上昇する中、ドル円はここ数日拒まれていた150円を突破した。 ただ、FRBが利下げサイクルを開始し、日銀は逆に利上げに着手し始める中で、以前のように160円を超えて上昇すると見ている向きはまだ少ない。150円を突破しても以前ほど上値は軽くないことも想定される。そのような中、明日以降150円台を維持できるか注目される。150円台を維持できれば、その上はフィボナッチ水準が来ている150.65円付近、そして本日151.30円付近に来ている200日線が上値ターゲットとして意識される。 ユーロドルは下げが加速し、一時1.0810ドル付近まで下落する場面が見られた。米小売売上高を受けてのドル買いもあるが、この日のECB理事会を受けてのユーロ自体の下げも加わっている。ユーロは対ポンドでも下落。 ECBは予想通りに0.25%ポイントの利下げを実施した。声明では「ディスインフレのプロセスが順調に進んでいるとし、インフレは来年中に目標の2%まで低下する」とガイダンスの文言をハト派方向に変更していた。 その後のラガルド総裁の会見でも市場は追加利下げへの期待を高めた。今回の利下げが全会一致の決定だったと総裁は述べていた。市場ではタカ派な理事もいることから、意見は分かれると見られていたが、全会一致はやや意外だったようだ。これを受けて短期金融市場では12月の理事会での0.50%ポイントの大幅利下げの確率を20%まで上昇させている。 ポンドドルはロンドン時間に1.29ドル台での推移が続いていたものの、NY時間に入ってからは買いも見られ、1.30ドルを挟んでの上下動となった。1.30ドルを割り込むと押し目買いも出るようだ。しかし、ドル高への期待が根強い中で上値は重い。目先は1.29ドル台半ばに100日線が来ており、下値メドとして意識される。 一方、ポンドは対ユーロでは上昇が継続。本日はECBが利下げを実施していたが、ECBはインフレから悪化する経済に焦点を移しているようだ。その半面、英経済は底堅さを維持しており、英中銀よりもECBのほうが利下げのスピードは速いと見られているようだ。前日の英消費者物価指数(CPI)は予想を下回る内容で、サービスインフレも予想以上に鈍化していた。しかし、それでも前年比4.9%というのは高過ぎる水準で、英中銀はECBほど積極的に利下げはできないとの見方もある模様。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美