ドル円、149円台後半まで戻す 150円台には依然慎重もリバウンド相場は継続=NY為替概況

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ドル円、149円台後半まで戻す 150円台には依然慎重もリバウンド相場は継続=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は149円台後半まで戻している。心理的節目の150円を再びうかがう展開となっているが、150円に慎重な雰囲気に変化はない。半面、下値を試す動きも限定的でリバウンド相場の流れは継続している。

 緩やかなペースでの利下げというFRBへの期待の変化で、ドル高は当面続くとの見方が市場に広がっているほか、日銀についても慎重な利上げが期待されている。そのような中でドル円は、心理的節目の150円台回復と151円台前半に来ている200日線が目先の上値ターゲットとして視野に入っていることに変わりはなさそうだ。

 ただ、ドル円は9月16日に140円割れを付け、そこからリバウンド相場を開始している。その前の7月11-9月16日までの下降波の半値戻しが150.65円付近に来ており、さらにその上に200日線が151円台前半に来ている状況。

 FRBが利下げサイクルを開始し、日銀は逆に利上げに着手し始める中で、実際に以前のように160円を超えて上昇すると見ている向きは少ない。そのような中で、そろそろ投資家が今回のリバウンド相場に慎重になって来てもおかしくはないのかもしれない。

 ユーロドルは1.08ドル台半ばまで下げ幅を拡大し、200日線を割り込んだ。明日以降の動きが注目されるが、明日はECB理事会が開催されいる。ドイツを中心に景気先行きへの不透明感が高まっており、インフレもサービスインフレは別にして、予想以上に落ち着きを示している。このような中でECBは0.25%ポイントの連続利下げを決めると見られているようだ。

 ただ、市場はすでにそれを十分織り込んでおり、ラガルド総裁が追加利下げを示唆しなければ、ユーロ相場への影響は限定的との見方も出ている。短期金融市場では明日を含めて今後4回の理事会での連続利下げを織り込でいるが、ECBは年内にインフレの再上昇が見込まれること、地政学上のリスクがエネルギー価格に影響を与える可能性があることなどから、追加利下げの表明については慎重になる可能性が高いとも見られているようだ。

 ポンドドルは下げが加速し、1.30ドルを割り込んでいる。きかっけはこの日発表の9月の英消費者物価指数(CPI)で、総合指数は前年比1.7%の低下となっていた。2021年4月以来の低い伸び。

 これを受けてエコノミストは、英中銀の利下げについて、英インフレが今後数カ月で再加速すると見られる中、11月は予想通りに利下げを行うだろうが、12月は見送る可能性が高いとの見方を示した。エネルギー上限価格の変更やその他のベース効果により、今後数カ月でインフレは勢いを盛り返すだろうとも指摘している。

 同エコノミストは、英中銀の追加利下げは1会合おきに行う可能性の方が高いと考えているとも付け加えた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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