ドル買いが続き、ドル円はリバウンド相場を継続=NY為替概況

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ドル買いが続き、ドル円はリバウンド相場を継続=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は149円台後半での推移が続いた。一時149.95円付近まで上昇し、150円に肉迫したものの150円台は付けていない。本日はコロンブスデーで米連邦法では祝日となっており、銀行休業日にもあたる。米国債市場も休場の中、米経済指標の発表もなく手掛かり材料に乏しい日ではあったが、ドル買いの流れは続き、ドル円はリバウンド相場を継続している。
 
 ハリス副大統領とトランプ前大統領の決選投票があと数週間に迫っており、投資家は米大統領選挙に関心を向け始めている。ただ、まだどちらが勝つかは不透明な情勢。一部からは、トランプ氏の勝利であればドル高とのシナリオも出ている。トランプ氏は関税引き上げと自身が第1次政権時に制定した減税措置の大半を恒久的なものにしたいと主張。第1次政権時のように欧州など他国への圧力も強める可能性もある。米国では財政拡大路線からインフレが再上昇し、FRBの利下げサイクルが突然停止する可能性も指摘されているようだ。

 一方、ハリス氏もトランプ氏ほどではないが、財政拡大が見込まれ、中東やウクライナへの政策もバイデン政権の姿勢を引き継ぐと見られている。その意味ではこちらもドル高のシナリオなのかもしれないが、FRBの利下げサイクルは継続が期待されることから、トランプ氏ほどのドル高にはならないと見られているようだ。

 ユーロドルは1.09ドルを一時割り込む場面が見られた。テクニカル的にも下向きの動きが強まり、1.08ドル台後半に来ている200日線をターゲットに入れそうな雰囲気となっている。今週は17日木曜日にECB理事会が予定されており、市場は0.25%ポイントの利下げを確実視している状況。

 一部からは、市場が織り込んでいる金利設定は妥当との指摘が出ている。短期金融市場は今週の0.25%ポイントの利下げのほか、12月の追加利下げも織り込んでおり、その可能性は高いという。市場は来年の下半期に2.00%前後でターミナルレート(最終到達点)に達すると見ており、これは中立金利に対する自身の予想とも一致するという。

 一方、根強いサービスインフレの上昇圧力により、域内のインフレが依然高いことを踏まえ、当面の金融政策は引き締めぎみの状態が続くと予想しており、適切な中立金利に関する議論は来年以降に持ち越される可能性が高いとも述べた。

 ポンドドルは下値模索を続け、一時1.3030ドル近辺まで下落する場面が見られた。1.30ドル台は維持されているものの上値は重く、1.30ドル割れをうかがう展開は続いている状況。

 スターマー英首相が国際投資サミットが開かれているロンドンでインタビューに応じ、一部で流れているキャピタルゲイン課税の39%への引き上げ検討の臆測について「的外れ」だと一蹴した。同首相は今月30日に予定されている秋季予算報告を前に企業や投資家に冷静さを促したかたったとみられ、通常であれば首相がリーブス財務相が検討する方針等についてコメントすることはない。

 ただ、220億ポンドに上る財政赤字を埋めるためにリーブス財務相はある程度のキャピタルゲイン課税の強化は打ち出すと見られている。労働党は選挙公約で、財務省の主な財源である国民保険料や所得税、付加価値(VAT)税の引き上げを否定している。なお、現在の英国のキャピタルゲイン課税は最高で28%となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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