来週の為替相場見通し=11月FOMCに向け米利下げ観測の変化に注目

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 来週のドル円相場は、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測がどう変化するかが焦点となる。予想レンジは1ドル=145円00銭~150円00銭。

 直近の物価や雇用関連の経済指標に関し、アトランタ連銀のボスティック総裁が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送ることについて「問題ない」と述べたと伝わった。これを受け、米短期金融市場では、11月の会合で政策金利が据え置かれる可能性を徐々に織り込み始めるようになった。今後、更に織り込みが進んだ際には、米金利の低下を伴って、ドル安・円高圧力が掛かることが想定される。米経済指標を受けた利下げ観測の変化も注目されることとなるが、ハリケーンの被害など特殊要因が指標に及ぼす影響が指摘されていることには留意が必要だ。一方、株式相場でリスク選好姿勢が強まった際には、ドル買い・円売りの流れが強まり、150円近辺まで上昇する可能性が出てくるが、日本の財務省サイドから円安をけん制する発言が出ることも想定され、明確に150円を上抜けて円安が進むとみる投資家は今のところは少ないようだ。

 このほか、17日に結果発表が予定されている欧州中央銀行(ECB)理事会では0.25%の利下げが決まるというコンセンサスが固まりつつある。ドイツ政府が2024年はマイナス成長となる予想を示し、欧州景気が一段と悪化するリスクが横たわるなか、市場の見立てよりも利下げに慎重な考えをラガルド総裁が示した際には、欧米金利の上昇とユーロ高といった反応があるかもしれない。

 なお、来週は海外では14日に中国の9月貿易収支、15日に米10月ニューヨーク連銀製造業景気指数とドイツの10月ZEW景況感指数、17日に米9月小売売上高と米9月鉱工業生産、米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、週間新規失業保険申請件数などが公表される予定。18日には中国で7~9月期実質国内総生産(GDP)や9月鉱工業生産、小売売上高などの指標の発表が相次ぐほか、米国では9月住宅着工件数が発表される。国内では16日に8月の機械受注、17日に9月の貿易収支、18日に9月の消費者物価指数が公表される予定となっている。

出所:MINKABU PRESS

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