前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■ラウンドワン <4680>  975円 (-114円、-10.5%)

 東証プライムの下落率トップ。ラウンドワン <4680> [東証P]が3日続急落。ボウリングやカラオケなど屋内での複合エンターテインメント施設を展開するが、訪日外国人観光客のコト消費拡大の恩恵を取り込み売り上げは好調な伸びを確保している。9日取引終了後に開示した9月の既存店売上高は、前年同月比で12.5%増と2ケタ伸長をみせた。コラボキャンペーンの効果や土日祝日の雨天日が多かったことも影響したとみられる。ただ、株価は9月の好調を事前に織り込んでいたとみられ、高値圏でのもみ合いが続いていたこともあり目先筋の利食い急ぎの動きを誘発した。市場ではAIトレードによる仕掛け的な売りを指摘する声も出ていた。

■イオンファン <4343>  2,071円 (-199円、-8.8%)

 東証プライムの下落率2位。イオンファンタジー <4343> [東証P]が急反落。9日取引終了後に3-8月期連結決算を発表。売上高が前年同期比7.5%増の439億2000万円となった一方、純利益が同68.3%減の3億7300万円で着地しており、これを嫌気された。新業態大型店や戦略的小型店の出店が奏功し、売上高は増加した。営業利益も増加したものの、円高に伴う為替差損や税金費用などが響き純利益は大幅な減少となった。なお、通期の増収・最終増益見通しは据え置いた。

■イオン <8267>  3,542円 (-336円、-8.7%)

 東証プライムの下落率3位。イオン <8267> [東証P]が4日続急落。マドを開けての大幅安でマーケット関係者の視線を集めた。同社が9日取引終了後に発表した25年2月期上期(24年3-8月)決算は、最終利益が前年同期比77%減の54億8800万円と低迷した。これを嫌気する売りが集中した。賃上げなどにより利益採算が悪化、既存店の改装コストなども利益を押し下げた。営業収益(売上高)は6%増と好調を維持したものの、独自ポイント還元による販売促進が、収益を圧迫したことも大幅減益の背景となっている。

■ベル24HD <6183>  1,390円 (-90円、-6.1%)

 東証プライムの下落率4位。ベルシステム24ホールディングス <6183> [東証P]が3日続急落。9日取引終了後に3-8月期連結決算を発表。売上高が前年同期比6.1%減の720億4000万円、営業利益が同26.3%減の48億1000万円となっており、これが売り材料視された。新型コロナウイルスなどに関する国策関連業務が大幅に減少したことが要因。なお、通期の増収増益見通しは据え置いた。

■サイゼリヤ <7581>  5,450円 (-270円、-4.7%)

 東証プライムの下落率8位。サイゼリヤ <7581> [東証P]が大幅反落。同社は9日の取引終了後、24年8月期の連結決算発表にあわせ、25年8月期の業績予想を開示した。今期の最終利益は前期比26.4%増の103億円を計画する。大幅増益でかつ、2期連続で過去最高益を更新する予想を示したものの、市場の高い期待には届かず、物足りないと受け止めた投資家の売りが優勢となったようだ。今期の売上高は前期比12.9%増の2536億円を予想する。店舗数は国内で9店舗の純増、海外で104店舗の純増を計画。海外の既存店売上高に関しては前期をやや下回る見通しとなっている。同時にサイゼリヤは、食品生産体制の更なる強化に向けて岐阜県内に新工場を建設すると発表。投資額は約95億円で26年1月に着工し27年4月に完成を予定する。24年8月期の売上高は前の期比22.5%増の2245億4200万円、最終利益は同58.1%増の81億4900万円だった。

■マルゼン <5982>  3,125円 (-70円、-2.2%)

 マルゼン <5982> [東証S]が4日ぶり反落。9日取引終了後に発表した25年2月期第2四半期累計(3-8月)の連結決算は、売上高が前年同期比4.6%増の322億900万円、最終利益が同30.5%増の24億1200万円だった。大幅増益で、会社計画を上回って着地する格好となり、朝方は買いが先行したものの、上昇一服後は利益確定目的の売りに押される展開となった。主力の業務用厨房部門ではインバウンドを含めた人流や消費活動の回復を背景に、一般飲食店向けのルート販売や食品スーパーなどの流通業向け販売が好調に推移した。

■イオン九州 <2653>  2,910円 (-31円、-1.1%)

 イオン九州 <2653> [東証S]が反落。9日取引終了後に発表した3-8月期連結決算は売上高が前年同期比3.9%増の2620億9400万円、営業利益が同48.2%減の28億1900万円だった。売り上げ構成比の高い食料品が堅調だったものの、新規出店による先行投資や人件費の増加などが利益面で重しとなった。大幅な減益となったことが嫌気された。

※10日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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