ドル買い優勢 ドル円も149円台に反発 議事録では数名が通常利下げを支持していた可能性=NY為替概況
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ドル買い優勢 ドル円も149円台に反発 議事録では数名が通常利下げを支持していた可能性=NY為替概況 きょうのNY為替市場、再びドル買いが優勢となる中、ドル円も149円台に反発した。午後に9月FOMC分の議事録が公表され、その中で数名が0.25%ポイントの利下げを支持したものの、最終的に多数派に同調して大幅利下げに賛成票を投じた可能性が示唆された。最後まで反対したのはボーマンFRB理事のみ。 議事録前までにすでにドル買いが強まっていたことから、公表後の為替市場の反応は鈍かったが、次回FOMCでの0.25%ポイントの通常利下げを暗示する内容ではった。 ただ、全体的に様子見ムードは強い。先週の米雇用統計を受けた上昇から149円台に乗せているものの150円を試すことなく、次のアクションを待っている。米雇用統計後の情勢に変化はなく、11月FOMCでの大幅利下げ期待は完全に消滅。0.25%ポイントの通常利下げが有力視されているが、据え置きの可能性も脳裏の片隅に浮上している状況。短期金融市場では0.25%の利下げ確率が79%、据え置きが21%となっている。 中東情勢は依然緊迫しており、イスラエルがイランにいつ報復措置を実施するのか、どの程度の報復なのかを気にしながら、市場は地政学リスクのストレスを感じている状況。 目先は明日の米消費者物価指数(CPI)に市場は注目している。ただ、予想を大幅に下回る数値でもない限り、影響は限定的との見方も出ている。インフレは引き続き鈍化が見込まれているが、今回9月のCPIが異常に低い数値を示す可能性も低く、ドルのイメージに変化が出る可能性は低いと見られている。 ユーロドルは1.09ドル台前半まで下落。日足チャートはダブルトップを形成し、下向きの流れを示唆する中、1.09ドル台前半に来ている100日線を試す動きが見られている。 本日はECB理事のビルロワドガロー仏中銀総裁の発言が伝わっていたが、来週の理事会で利下げの可能性は非常に高いとの認識を示していた。短期金融市場でも90%の確率で利下げを見込んでいる。 ECBは9月に今年2度目の利下げに踏み切ったうえで、今後も緩やかなペースでの利下げを進める考えを示唆していた。当初は次回は12月と見られていたが、このところインフレが予想より急速に冷え込む一方、景気後退の兆しが表れていることから、ECB理事の間でも、もっと迅速に行動しても来年にインフレは目標の2%を達成できるとの見方が広がっている。 ビルロワドガロー総裁はラジオで「われわれは来週決める。利下げの可能性が非常に高く、それも最後にはならないだろう」と語っていた。 ポンドドルも上値の重い展開。ロンドン時間の早朝には、ここ数日サポート水準となっている1.30ドル台半ばまで下落する場面も見られていた。 米大手銀の調査によると、10月30日の英予算案発表を巡る不透明感が英消費者の信頼感を弱めている可能性が高いことが示されたと報告している。米大手銀の英消費者信頼感指数は9月に2ポイント下落したという。予算、税金、支出、福祉政策に関する不透明感が信頼感を押し下げている可能性が高いと分析している。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美