ドル円、一時149円まで上昇 米雇用統計が想定外に強い内容=NY為替概況
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ドル円、一時149円まで上昇 米雇用統計が想定外に強い内容=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は一時149円ちょうどまで上昇した。この日の9月の米雇用統計が想定外に強い内容となったことを受けて、FRBの大幅利下げ期待が後退。為替市場ではドル買いが加速し、ドル円も買いが強まった。ドル円は完全にリバウンド相場に復帰しているが、目先は心理的節目の150円を回復し、200日線が控える151円まで到達できるか注目される。 短期金融市場では11月のFOMCでの大幅利下げの可能性はほぼ無しと見ており、0.25%ポイントの通常利下げを確実視している。本日の米雇用統計を受けて米大手銀からは、9月FOMCでの大幅利下げ以降、データは著しく好調に推移しており、11月FOMCでの追加の0.50%ポイントの大幅利下げは正当化されないとの声も出ていた。 11月に0.25%ポイントの利下げを行い、来年3月まで各FOMCで0.25%ずつの利下げを継続し、その後は四半期ごとのペースに移行すると見ているという。今回の利下げサイクルのターミナルレート(最終到達点)は従来の予想を上方修正し、3.00ー3.25%を見込んでいるという。 一方、この予想のリスクは上方にあるとも指摘。予想よりも利下げの回数が少ないことを意味。生産性の伸びを示す一連のデータがそれを示しているという。 ユーロドルは下げを加速し、節目の1.10ドルを割り込んでいる。1.10ドルを早期に回復できないようであれば、本日1.0930ドル付近に来ている100日線、さらに1.08ドル台後半に来ている200日線が視野に入る。 ユーロはさらなる下落に直面するとの見方も出ている。結局のところ、金利差の縮小、リスクセンチメントの不安定さ、波乱のEU予算シーズンがユーロドルを圧力するという。 きょうの米雇用統計は米景気の底堅さを示したが、反対にユーロ圏の景気はドイツを中心に不透明感が強まっている。この差もユーロドルには重石となる可能性もありそうだ。 ポンドは対ドルでは下落しているものの、対ユーロや円では上昇。ポンド円は195円台まで上昇し、200日線がしっかりとサポートされている。100日線が195円台後半に来ており、目先の上値メドとして意識される。 前日はベイリー英中銀総裁の発言を受けてポンドは売りが強まっていた。その発言を受けて市場では年内2回の利下げの可能性を織り込む動きが出ている。しかし、本日は英中銀チーフエコノミストのピル委員の発言が伝わり、段階的な利下げが好ましいことを示唆したことから、ポンドは買いの反応を見せている。 ピル委員はロンドンで行われた会議で「経済とインフレの見通しが予想通りに推移すれば、さらなる金利引き下げの可能性は残るが、利下げが急激過ぎたり、早過ぎたりするリスクを回避することが重要だ」と述べていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美