来週の為替相場見通し=首相発言をきっかけとした円安修正か
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来週のドル円相場は、石破茂首相の発言を受けた円安・ドル高を修正する動きとなりそうだ。予想レンジは1ドル=144円00銭~148円50銭。 石破首相が2日に「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」との認識を示し、これをきっかけに円売りが活発化。3日の東京市場では一時147円25銭近辺と、約1カ月半ぶりの水準をつけた。ただ、3日夜には自らの金融政策に関する発言を修正。4日に行われた衆院本会議での所信表明演説で、日銀の金融政策に言及しなかったこともあり、円の買い戻しが入りやすい。ただ、4日に発表される9月の米雇用統計が堅調な結果となり、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まればドル買い・円売りにつながりそうだ。また、イスラエルとイランを巡る中東情勢の行方からも目が離せない。地政学リスクが一段と高まれば低リスク通貨とされる円が選好されやすいものの、リスク回避先として基軸通貨であるドルが買われる可能性もあり、有事のドル買いが強まればドル円相場を押し上げることになるだろう。 なお、来週に海外で発表される主な経済指標は、7日に8月のドイツ製造業新規受注と8月のユーロ圏小売売上高、8日に8月のドイツ鉱工業生産と8月の米貿易収支、9日に8月の米卸売売上高、10日に9月の米消費者物価指数(CPI)と前週分の米新規失業保険申請件数、11日に9月の米卸売物価指数(PPI)と10月の米ミシガン大学消費者態度指数・速報値など。9日に公表される9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も注目される。国内では8日に8月の毎月勤労統計調査と8月の全世帯家計調査・消費支出、10日に9月の国内企業物価指数が発表される予定となっている。 出所:MINKABU PRESS