ドル円、146円台後半 石破首相の利上げに否定的な見解と中東情勢の緊迫化が下支え=NY為替概況

投稿:

為替

ドル円、146円台後半 石破首相の利上げに否定的な見解と中東情勢の緊迫化が下支え=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は146円台後半での推移となった。この日発表のISM非製造業景気指数が予想外に強い内容となったことで147円台に再び上昇する場面が見られたものの、147円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも観測され、直ぐに伸び悩んでいる。

 引き続き石破首相の利上げに否定的な見解への変化が円安を誘発。また、FRBの大幅利下げ期待の後退、そして中東情勢が依然として燻っており、ドル高の地合いになっていることもドル円を下支えしている。

この2日間の動きでドル円はリバウンド相場の流れに復帰している。市場からは円キャリー取引の復活するのではとの指摘もあり、150-155円の水準も視野に入る可能性があるとの強気な声も出ているようだ。

 市場は明日の米雇用統計を待っている。先週のパウエルFRB議長の発言で市場は11月の大幅利下げの可能性は後退させているが、年内に計0.75%の利下げの可能性は織り込んだままの状態にある。11月の大幅利下げがなければ12月にあると見ているようだ。明日の米雇用統計が市場の現在の期待を裏付けるか、それとも変化させるか注目される。

 きょうもユーロドルは下げ幅を拡大し、心理的節目の1.10ドルをうかがう動きが出ている。9月にも1.10ドル割れを試す動きを見せていたが、その時はサポートされていた。今回はどうか注目される。

 アナリストはECBが相次いで利下げを実施との見方から、ユーロは打撃を受けるとの見解を示している。同アナリストは、インフレ低下を踏まえ、ECBは利下げペースを加速させると指摘。インフレが予想よりも早く低下しているだけでなく、最近のPMIの調査では、経済成長の低迷によりディスインフレがさらに進む可能性があることが示唆されているという。

 ECBは来年半ばまで、全ての理事会で0.25%ポイントの利下げを行う可能性があり、その場合にユーロは今後3カ月で1.09ドルまで下落する可能性があるとの見方を示している。

 本日はポンドの売りが目立ち、対ドルのみならず対ユーロ、円でも下落。ここに来てベイリー英中銀総裁の発言がをきっかけに、英中銀の利下げ期待が一気に高まっている。総裁は「インフレが抑制された状態が続けば、利下げにより積極的になる可能性がある」と述べていた。英ガーディアン紙とのインタビューで語った。インフレが懸念していたほどは上昇していないという事実を評価していると述べている。

 総裁は、原油価格再上昇の恐れがあるため中東情勢を非常に注意深く見守っているとも語った。イランがイスラエルにミサイル攻撃を行い、イスラエルの報復が見込まれるため原油相場は急伸している。

 短期金融市場では11月の英中銀の利下げはほぼ織り込み済みだが、12月については五分五分と見ていた。しかし、本日のベイリー総裁の発言で70%に上昇している。また、来年はさらに5回の利下げが予想されている状況。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

オンラインで簡単。
まずは無料で口座開設

松井証券ならオンラインで申し込みが完結します。
署名・捺印・書類の郵送は不要です。