前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■霞ヶ関C <3498>  18,750円 (+3,240円、+20.9%)

 東証プライムの上昇率トップ。霞ヶ関キャピタル <3498> [東証P]が急反騰。2日取引終了後に25年8月期連結業績予想を発表。売上高を前期比44.6%増の950億円、純利益を同99.2%増の100億円と前期に続き過去最高業績を更新する見通しを示しており、これを好感した買いが集まった。冷凍冷蔵倉庫への高い需要が追い風となる見込み。配当予想は前期比70円増の240円とした。同時に発表した24年8月期決算は売上高が前の期比76.2%増の656億8500万円、純利益が同2.4倍の50億2000万円だった。あわせて、29年8月期を最終年度とする中期経営計画を明らかにした。純利益ベースで年平均成長率(CAGR)50%を実現し、最終年度に同利益を500億円とする目標を掲げた。

■カヤック <3904>  610円 (+100円、+19.6%) ストップ高

 カヤック <3904> [東証G]がストップ高。同社は3日、総務省の「地域おこし協力隊の戦略的広報」に係る総合企画・運営事業を受託したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。この事業は、都市部から地方に移住して地域活性化に貢献する地域おこし協力隊の応募者数増加と促進を目的としたもの。同社は自社運営の移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」の知見と、自治体や移住関心層とのネットワークを生かすとしている。

■コラボス <3908>  353円 (+44円、+14.2%)

 コラボス <3908> [東証G]が急騰。2日の取引終了後、25年3月期の単独業績予想について、営業利益を1700万円から7000万円(前期2億9400万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。「@nyplace」などの現有サービスで特定の大口顧客の業務縮小などの影響があったほか、「VLOOM」及び「UZ」などの新サービスで想定より顧客獲得に時間を要したことなどにより、売上高は21億5000万円から19億4000万円(前期比9.9%減)へ下方修正したが、重点施策と位置づけている「コスト改善施策」により外注費などのコスト削減が順調に進捗していることが営業利益を押し上げる。また、上期に関係会社株式売却益を計上することから、最終利益は1000万円から1億3000万円(前期7億9800万円の赤字)へ上方修正した。

■西武HD <9024>  3,372円 (+266円、+8.6%)

 東証プライムの上昇率5位。西武ホールディングス <9024> [東証P]が4日ぶり急反発。2日取引終了後、25年3月期連結業績予想について純利益を260億円から840億円(前期比3.1倍)へ大幅に上方修正すると発表。これを好感した買いが入った。持ち分法適用関連会社の連結子会社化に向けた取り組みとしてNWコーポレーションの株式を取得したことに伴い、特別利益を計上するため。足もとの経営状況も踏まえた。売上高も4890億円から4940億円(同3.4%増)へ、営業利益も400億円から450億円(同5.7%減)へそれぞれ引き上げた。

■アストロHD <186A>  1,208円 (+91円、+8.2%)

 アストロスケールホールディングス <186A> [東証G]が急反発。3日、米国の連結子会社が軌道上で衛星に燃料補給を実施する衛星のプロトタイプの開発を行うプロジェクト「APS─R」に関し、変更契約を新たに締結し、受注金額が再度増額されたと発表した。受注金額はこれまでの2690万ドルから2940万ドルに増額されたという。当初契約金額2550万ドルに基づく収益については、予算レート(1ドル=140円)で25年4月期の連結業績予想に反映しているが、2度にわたる増額分397万5000ドルによる影響に関しては含めていないといい、業績の上振れを期待した買いが入ったようだ。なお、収益は26年4月期までの期間にわたって計上する方針で、今後公表すべき事項が生じた際には速やかに開示するとしている。

■カカクコム <2371>  2,496.5円 (+110円、+4.6%)

 カカクコム <2371> [東証P]が4日ぶり大幅反発。同社は3日、自社運営する「icotto(イコット)」で宿泊予約サービスの提供を開始したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。icottoは、編集者が厳選した施設の情報などを分かりやすく紹介しているサイト。「旅行記事メディア・ホテル予約サイト」としてリニューアルしたことで、施設の宿泊情報からニーズにあう宿を選んで、サイト内でそのまま宿泊予約を完了することができるという。

■アダストリア <2685>  3,700円 (+145円、+4.1%)

 アダストリア <2685> [東証P]が大幅高で3日続伸。2日の取引終了後に発表した9月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比8.8%増と6ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。前年に比べて休日が1日多かったことで1.9ポイントのプラスの影響があったと試算されるほか、中旬までは前年と比較して気温が高く、長引く残暑を想定した商材の準備が奏功した。また、秋物の販売も順調に推移しており、秋冬向けのパンツやトレンドのデニムが人気となっているほか、チェック柄のシャツやライトアウターといった季節商材も好調に推移した。なお、全店売上高は同11.4%増だった。

■エスエムエス <2175>  2,152.5円 (+77円、+3.7%)

 エス・エム・エス <2175> [東証P]が5日ぶり大幅反発。2日の取引終了後、介護・障害福祉事業者向け経営支援サービス「カイポケ」に関して、仙台・大宮・広島の3事業所を10月1日に開設したと発表しており、好材料視された。なお、これらの事業所の開設により、カイポケの事業所は9拠点となる。3拠点の開設は、地方都市でのサポート体制充実を目的としたもの。同社はこれまで「カイポケ」に関し、札幌、東京、名古屋、大阪、京都、福岡の6カ所に事業所を開設しているが、直近の京都事業所の開設で訪問での導入サポートが好評であったことから、より事業者のニーズに即した支援を行えるよう3事業所を開設するという。

■TDK <6762>  1,915.5円 (+68円、+3.7%)

 TDK <6762> [東証P]が大幅反発。同社は2日取引終了後、フランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)や東北大学などと連携して消費電力を100分の1に抑えられる人工知能(AI)半導体を開発することを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。スピントロニクス技術を用いた超低消費電力のニューロモルフィック素子、スピンメモリスタの開発に成功しており、今後はニューロモルフィックデバイスの実用化を目指し、産学官の国際連携で開発を推進する方針を示している。スピンメモリスタは人間の脳の仕組みを電気的に模倣した構造となっている。近年、生成AI市場は世界的に急拡大しているが、使用されるAI用半導体については大量の電力を消費することが改善すべき課題となっている。同社が国際連携によって、画期的な電力効率の高い 半導体開発を実現すれば、状況改善に大きく貢献することが見込まれるだけにマーケットの熱い視線が向けられている。

■ファストリ <9983>  48,490円 (+1,710円、+3.7%)

 ファーストリテイリング <9983> [東証P]が大幅反発。2日の取引終了後に発表した9月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比22.1%増となり、6ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温が高く推移したなかで夏物商品の販売が好調だったことに加えて、羽織物など端境期に着られる商品の販売も好調に推移した。内訳では、客数が同18.1%増と2ケタ伸長を維持し、客単価も同3.4%増と上昇した。

■アンリツ <6754>  1,131円 (+39.5円、+3.6%)

 アンリツ <6754> [東証P]が大幅反発。日本経済新聞電子版が2日夜、「計測機器大手のアンリツは薬や健康食品の錠剤を自動で全量検査できる装置を開発した」と報じた。近赤外線を使い錠剤の中まで調べられる独自技術をもとにした装置で、国内の製薬会社向けに2025年に発売するという。医薬品業界向けの事業拡大を期待した買いが入ったようだ。

■郵船 <9101>  5,485円 (+189円、+3.6%)

 日本郵船 <9101> [東証P]が大幅反発。前日2日に続き上場来高値更新と気を吐いた。ここにきて、 海運株への買いが再び活発化しているが、これは中東情勢が改めて緊迫化していることを背景にコンテナ船運賃市況の高騰が収益を押し上げるという思惑が働いているためだ。有事リスクが逆に買いを誘導する有利なポジションにある。加えて、米国東岸の港湾労働者によるストライキ突入で物流が滞ることが必至の情勢にあり、これも運賃上昇をもたらすとの見方が強い。もとより海運株はバリュー株セクターに位置付けられ、郵船の時価予想PERはわずかに6倍強、PBRも0.8倍台と会社解散価値を下回っている状態だ。また、同社の25年3月期の年間配当は前期実績に120円も上乗せした260円を計画しており、配当利回りに換算して4.7%台に達する。足もとで急速に円安に振れていることも運賃がドル建て決済の海運業界にとっては収益メリットが大きく、投資マネーが食指を動かす好条件が揃っている。

■Uアローズ <7606>  2,168円 (+74円、+3.5%)

 ユナイテッドアローズ <7606> [東証P]が大幅反発。2日の取引終了後に発表した9月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比13.7%増と、9ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温の低下に伴いシャツ、カット、ニットなどの秋物衣料の動きが強かったことに加え、ジャケット、パンツ、ワンピースなどのキレイ目アイテムも好調に推移した。また、前年同月に比べて休日が1日多かったことで1.5ポイント程度のプラスの影響があったと推測される。なお、全社売上高は同21.0%増だった。

■ポート <7047>  2,162円 (+66円、+3.2%)

 ポート <7047> [東証G]が大幅反発。2日の取引終了後、チェンジホールディングス <3962> [東証P]と共同で進めている「地方自治体・地方企業の雇用DX」について、地方自治体からの受注件数や地方企業からの売り上げ収益が好調に推移していると発表しており、好材料視された。「地方自治体・地方企業の雇用DX」は、地方自治体が地元企業における雇用政策、地元出身の人材のUIターンを促進するための事業をDX化し、都心部に流出している人材に対してオンライン施策を通じてマッチングの機会を増やすのが狙い。25年3月期は既に前期比22%増の38自治体の支援を見込むほか、地方企業の 人材採用支援の売上高(関東・近畿地方以外)も4~9月累計で前年同期比約2倍の高い伸びとなっているという。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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