雨宮京子氏【日経平均4連騰、どこまで続く上値追いトレンド】 <相場観特集>

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コラム

―一時3万8000円台回復、自民党総裁選後の相場展望を探る―

 3連休明けとなった24日の東京株式市場では日経平均株価が大幅高でスタートしたが、その後は上げ幅を縮小した。しかし、伸び悩んだとはいえ一時フシ目の3万8000円台を回復するなど強調展開が続いている。10月下期相場入りを目前に強気相場が加速するのか、それとも、またもや75日移動平均線が上値抵抗ラインとなって戻りいっぱいの展開となるのか。ここからの相場展望と有望銘柄について、雨宮総研代表の雨宮京子氏に話を聞いた。

●「早晩4万円台復帰が視野に」

雨宮京子氏(雨宮総研 代表)

 東京市場は3連休明けに上値追いが加速し一時3万8000円台を回復したが、目先はやや行き過ぎに買われている感はあるものの、押し目があれば強気に買い下がる姿勢で報われそうだ。米国株市場ではやや買い疲れ感が出ているがNYダウは最高値圏で頑強、相対的に出遅れる日経平均は買いやすさが生じている。

 前週は米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが0.5%の利下げを決定。これはある程度織り込まれていたとはいえ、その後のパウエルFRB議長の記者会見もハト派寄りの印象を与えたことで素直に好感される形となった。更に、その直後の日程で行われた日銀の金融政策決定会合では、追加利上げ見送りは想定通りだが、今後についても植田日銀総裁は、為替市場で円安の修正が進んでいることから金融政策の時間的猶予ができたという認識を示し、マーケットに安心感を与えている。

 今週末27日に予定される自民党総裁選は決選投票にもつれ込むことは確実視されるが、総裁選の後は解散総選挙の可能性が高くなる。米国大統領選も11月に控えており、日米で不透明感からの様子見ムードが強まることも考えられるが、“選挙は買い”というアノマリーを考えれば、少なくとも売り方は仕掛けにくい。向こう1ヵ月の日経平均のレンジとしては下値が3万6500円前後と押しは浅く、一方で上値は4万円台を回復する場面が期待できると考えている。

 個別株では半導体セクターに反騰機運が高まるなか、半導体製造装置最大手の東京エレクトロン <8035> [東証P]をその象徴株としてまずマークしておきたい。また、ICパッケージで世界トップシェアを誇るイビデン <4062> [東証P]も見直し機運が高まりそうだ。更に値動きの軽い小型株では半導体シリコンウエハー容器を製造するミライアル <4238> [東証S]に着目。一方、半導体関連以外では、円高を味方につける食品セクターの好業績株を押さえておきたい。24年4-6月期の最終利益が同期間の過去最高を記録、通期でもピーク利益更新見込みのヤクルト本社 <2267> [東証P]のほか、即席麺の売り上げが好調で、チャートも底値圏からの下値切り上げ波動が鮮明な日清食品ホールディングス <2897> [東証P]などが狙い目となろう。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
雨宮総研 代表。元カリスマ証券レディとして、日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスター、SBI証券投資情報部などを経て、日経CNBC解説者に。

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