伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月23日版
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日経平均は休み明け後に下降を開始なら、値幅の大きな下げ場面へ 1. ドル・円相場は週明け後、円高の流れへ入るかが焦点 図1は、 ドル・円相場の日足です。ドル・円相場はFOMC(米連邦公開市場委員会)、日銀金融政策決定会合を経て、さらなる円高へ向かうなら、9月16日以降の円安の動きが20日の高値144.49円前後で終了して、23日以降、再度円高の流れへ入ると考えられます。 次の円高は9月3日以降が上値、下値を切り下げるジグザグとなった後の動きのため、勢いが強く、振れ幅の大きな動きになる可能性があります。 目先、円高へ向かうなら、その下げは7月3日以降が5つの波になる過程での3波目の動きになります。 8月15日の高値149.4円以降の3波は、133.92円を大きく下回る地点、130円前後か、130円以下を目指すと考えられます。 一方で、目先の価格が20日の高値144.49円を大きく上回る動きになるなら、その上げは9月16日の安値139.52円が押し目になって、7月以降の円高の流れが終息していることを示唆します。 その場合、8月5日以降のジグザグは、全体で保ち合いの動きへ入っているという見方が有力になります。この保ち合いが円高の流れの途中の中段保ち合いなら、9月3日の高値147.21円前後で強く上値を抑えられる動きになると考えられます。 8月15日の高値149.4円まで円安が進むなら、9月16日の安値139.52円を中心とした、ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトムを形成中の可能性が出てきます。 保ち合い入りを確認した後、保ち合いを抜ける動きは、次の日銀会合(10月30・31日)、FOMC(11月6・7日)以降になると考えられます。 図1 ドル・円相場(日足) 2. 日経平均は目先上昇なら10月に戻り高値を付ける公算 日経平均株価は、9月2日高値の3万9080円が戻り高値となって、その後、9日の安値3万5247円まで3833円幅の下げを経過した後、反発調となっています。 本年と同様、月初から価格が下げた年は、1990年から2023年の期間で見ると14回あります。 これらの年は14回中10回が月末まで下げの流れを継続して、2006年、2007年、2017年、2018年の4回が押し目をつけた後、上げの流れを月末まで継続しています。 2006年は9月末の終値が1万6127円となって、月中から月末までの反発が9月4日の高値1万6414円へ届いていません。 その後、10月に1万6414円を超えて、10月24日まで上昇の流れを継続し、9月の安値まで押し戻されています。 2007年は、9月末の終値が1万6785円となって、9月3日の高値1万6575円を超える動きとなっています。 その後、10月11日まで上昇の流れを継続して、翌年まで続く下げの流れへ入っています。 2017年は、9月8日に押し目をつけた後、11月まで継続する大幅な上昇の流れへ入っています。 2018年は、9月末の終値が2万4120円となって、9月3日の高値2万2820円を超える動きとなっています。 その後、10月2日まで上昇の流れを継続して、年末まで続く下げの流れへ入っています。 本年と同様、9月の月初から価格が下げの流れを作った年は、14回中、10回が月末まで下降を継続して、14回中3回が10月に戻り高値をつけ、その後、大きく下げる動きになっています。 2017年は、日米ともに株価を押し上げる材料があり、10月の日経平均株価が連続して上昇した年です。日銀が金融政策を引き締めへ転換したばかりの本年とは、状況が異なります。 日経平均株価は、本年9月の月足が陰線引けする展開になる場合、休み明け後の価格がすぐに下降を開始して、9日の安値3万5247円を目指す動きになると考えられます。 休み明け後、上昇を継続するなら、その上げは10月頃まで続き、3万9080円以上へ上げる動きになる公算です。 月末へ向けて上昇する場合でも、その上げは10月中に戻り高値を確認して、下降を開始すると考えられます。 明日以降に価格が下げる場合、その下げは円高の流れの中で表れる動きになるはずなので、下げ幅が大きく、勢いの強い動きになる可能性があります。 図2は、日経平均株価の日足と今後の予想線です。 図2 日経平均株価(日足) (2024年9月23日記、次回は9月29日に配信予定) ※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。 株探ニュース