ドル円、米小売売上高を受けて142円台まで戻す 明日のFOMC前に調整も=NY為替概況

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ドル円、米小売売上高を受けて142円台まで戻す 明日のFOMC前に調整も=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、NY時間に入ってドル円は買い戻しが強まり142円台まで戻している。この日発表の8月の米小売売上高が予想外の増加となり、為替市場はこのところのドル売りが一服していた。ドル円は前日に節目の140円を割り込んだが、それ以上の下値追いがなかったことで、明日のFOMCを前に直近の下げの調整が出ていたのかもしれない。

 ここに来て市場では0.50%ポイントの大幅利下げの可能性が再浮上し、短期金融市場では65%まで確率を上げ、通常利下げを上回っている。しかし、エコノミストからは「経済状態は景気後退あるいはそれに近い状況にあると考えるような状況では決してなく、FRBは大幅利下げを回避できる」といった見方も出ている。

 明日のFOMCは見方が完全に二分しており、最近では珍しいくらいに不透明なイベントとなっている。今回は委員の金利見通し(ドット・プロット)も発表され、波乱の展開も警戒される中、ポジションを軽くしておきたい意向が強かったのかもしれない。いずれにしろ明日午後(日本時間19日午前3時)のFOMCの結果待ちの雰囲気に変わりはない。

 ユーロドルは戻り売りに押された。ただ、下押す動きまではなく、1.11ドル台は維持。ECBは先週、追加利下げを実施したが、10月理事会についてはオープンな姿勢を維持している。市場では様々な見方が出ているものの、ドイツ経済を中心に景気の下振れリスクがある一方、インフレはなお高水準に留まっていることから、今年については10月は見送り、12月の利下げでコンセンサスが形成されているようだ。

 エコノミストからは、ECBは来年に利下げを加速させるとの見方が出ている。来年は四半期ごとに1回よりも速いペースで金利を引き下げる可能性があるとしている。平均のインフレ率が来年前半に2%目標に達する可能性があるためだという。

 同エコノミストのインフレ見通しはECBよりもハト派的で、今年の平均は2.3%、来年は2.0%で来年前半には目標に達すると見ているという。ECBが12月にさらに0.25%ポイントの利下げを実施し、来年は計1.00%ポイントの利下げを実施すると予想している。この見通しを踏まえると、中立金利へのより積極的な回帰が現実的なシナリオだという。

 ポンドドルも戻り売りに押され、NY時間に入って1.32ドル台から1.31ドル台半ばまで一時下落。ポンドはポンドは良好なイールド・スプレッドと英国への資本流入改善に支えられ小幅に上昇するとの見方が出ていた。英中銀が追加利下げを実施した場合でも、英国債利回りは他国と比較して、また過去の水準と比較しても高水準に留まる可能性があると指摘。

 政治情勢がより安定してするという投資家の認識と伴に、今後1-2年の英国への長期的な資本流入は過去4-5年間よりも大きくなる可能性が高いとしている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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