ドル円に買い戻し 140円を下回ったことで達成感も 大幅利下げ期待が通常利下げを上回る=NY為替概況

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ドル円に買い戻し 140円を下回ったことで達成感も 大幅利下げ期待が通常利下げを上回る=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル売り・円売りの動きが優勢となる中、一時140円を割り込んでいたドル円は買い戻しが膨らんだ。特段の買い材料は見当たらないものの、本日は節目の140円を一時下回ったことで達成感が出たことや、このところの急ピッチな下げで過熱感も出ていたことから、ショートカバーが出ていたのかもしれない。
 
 市場は今週のFOMCに注目しているが、ここに来て0.50%ポイントの大幅利下げの可能性が再浮上しており、短期金融市場では一時65%まで確率を上げ通常利下げを上回っている。

 しかし、エコノミストからは「米経済は景気後退あるいはそれに近い状況にあると考えるような状況では決してなく、FRBは大幅利下げを回避できる」といった見方も出ている。今週のFOMCは委員の金利見通し(ドット・プロット)も発表されるが、どちらの結果になったとしても波乱の展開も留意する必要がありそうだ。

 ユーロドルは1.11ドル台を回復し、一時1.1140ドル付近まで上昇。目先は9月6日高値1.1155ドル付近と8月に上値を抑えられた1.12ドルが上値メドとして意識される。ECBとFRBの政策相違を予想した動きがユーロドルを押し上げている。ECBは先週の理事会で段階的な利下げを支持した一方で、ここに来てFRBによる大幅利下げの期待が非常に強まっておりユーロドルは上昇している。

 ECBは理事会ごとにオープンの姿勢を示しているが、投資家は次回10月のECB理事会での追加利下げの期待を後退させており、次の利下げは12月になると予想している。本日はECBのチーフエコノミストのレーン委員の発言が伝わっていたが、漸進的なアプローチが適切との認識を示していた。

 ポンドドルは1.32ドル台を回復。21日線を上放れる展開が見られており、上向きトレンドに回帰しそうな気配も見られている。目先は9月6日高値1.3240ドル、そして8月の直近高値1.3265ドルが上値メドとして意識される。

 ポンドに関しては今週木曜日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が控えているが、その前日の水曜日に8月の英消費者物価指数(CPI)が発表される。アナリストからは、英CPIが予想を下回る場合、ポンドが下落する可能性があるとの指摘が出ている。サービスインフレは7月の5.2%から5.6%に上昇すると広く予想されているが、他の先行指標が物価上昇圧力の緩和を示唆しているため、サービスインフレは予想よりも低くなる可能性があるという。

 また、ポンドのロングが非常に積み上がっていることも要因として挙げている。最新のIMM建玉報告ではポンドの買い越しが過去最高を記録していた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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