ドル円、一時141円台まで下落 米雇用統計は冷え込みを示す=NY為替概況

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ドル円、一時141円台まで下落 米雇用統計は冷え込みを示す=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は激しく上下動しつつ下値模索を続け、一時141円台まで下落する場面も見られた。きょうは8月の米雇用統計が発表になっていたが、非農業部門雇用者数(NFP)が予想を下回り、6月、7月分も下方修正されるなど米労働市場の冷え込みを示していた。

 今月のFOMCでの大幅利下げ観測が一時強まり、ドル円も141円台に下落したものの、8月初めとは違い市場全体が比較的着いた反応を見せていたことからドル円も143円台まで急速に買い戻されていた。

 しかし、今度は米株式市場の調整色が強まったことでドル円は再び一時141円台に下落。本日の米雇用統計への反応というよりも、景気減速への警戒感からのポジション調整といった株安・円高の動きが見られている。

 今月のFOMCについては、来週の米消費者物価指数(CPI)次第だが、0.25%ポイントの通常利下げとの見方が多いようだ。しかし、FRBは利下げのペースは速めるのではとの見方も多い。

 そのような中で、ドル円のショートを推奨する声も出ている。下値ターゲットは137.30円とし、ストップロスは147.25円だという。最近の雇用低迷は、さらなる利下げが必要となるのは時間の問題であるという見解を裏付けるもだと述べている。日銀とFRBの政策の乖離が縮小し、ドル円のさらなる調整を促すと述べ、日銀は12月に利上げを実施し、早ければ10月にも実施される可能性があるとも付け加えた。

 ユーロドルは上下動したものの全体的には方向感のない展開となっている。21日線が1.1070ドル付近に来ているが、その上の水準は維持しており、上向きのトレンドは堅持している。来週はECB理事会が開催されるが、エコノミストからはECBはユーロの主要な牽引役とはなりそうもないとの指摘が出ている。ECBは9月12日の理事会で再び金利を引き下げ、その後も四半期ごとに追加利下げを行う可能性がある。ただ、そのことがユーロ相場に大きな影響を与えることはないという。ECBはユーロドルの大きな、あるいは持続的な牽引役となる可能性は低いと述べている。

 G10の中銀の中でも、特にECBは理事の意向が事前に十分伝達されていることを踏まえると、市場はECBの金利見通しに最も誤った価格設定をしているようにも見えると指摘した。ECBは来週の理事会で予告通りに0.25%ポイント引き下げる可能性が高い。また、今後のデータに柔軟に対応しながら、四半期ごとの利下げの準備を進めて行くと見ているようだ。

 ポンドドルも上下動させながら、下値を切り下げる展開。米雇用統計を受けて一旦1.32ドル台半ばに上昇したものの直ぐに戻り売りに押され、1.31ドル台前半まで下落する場面も見られた。上向きのトレンドに変化はないものの、次第に上値が重くなって来ている印象も垣間見られる。

 英中銀は9月19日に金融政策委員会(MPC)を開催し、金利据え置きが有力視されているが、政策委員による投票が僅差となった場合、ポンドは下落の反応を示すとの見方が出ている。金利据え置きを支持する委員と利下げを支持する委員がほぼ同数となった場合、それは今後より積極的な利下げが行われる可能性を示唆し、特に最近のポンドの好調なパフォーマンスを考慮すると、ポンドは売られ易いという。

 英中銀は8月に5対4の僅差で利下げを決定したが、今回は連続利下げの可能性はほとんどないと見られており、それまでに発表される英データが悪化したとしても、その見方は変わらないとも指摘している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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