ドル円は再び売り優勢 一時146.30円付近まで下落=NY為替概況

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ドル円は再び売り優勢 一時146.30円付近まで下落=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は再び売りが優勢となり、一時146.30円付近まで下落する場面が見られた。ドル円は今週、一時141円台まで急落するなど、円キャリー取引の巻き戻しが強まった。その動きも一服し、株高と伴にドル円も買い戻しが強まったが、148円付近で上値を抑えられており、目先は150円までの回復は難しいのではといった雰囲気が、再度下値を試す動きに繋がったのかもしれない。

 この先の材料を確認したい雰囲気も強い。来週は7月の米消費者物価指数(CPI)など米インフレ指標の発表が予定されており、FRBの利下げ期待と絡んで、動向が注目されている。

 ストラテジストからは「目先の調整はほぼ終わったが、ここ数年で積み上がった円キャリー取引に伴う円ショートポジションはかなり大きい。従って、現在の調整はキャリートレードの終わりの始まりに過ぎないと見ている。来年は140円を割り込むと予想」といった声も出ている。

 きょうのユーロドルは1.09ドル台前半の狭い範囲での上下動が続いた。今週のユーロドルは先週金曜日から週初の急伸の調整が優勢となっていた。しかし、1.09ドル台はいまのところ維持されており、買戻しの流れは継続している状況。

 ここ数日の為替市場のボラティリティ急上昇は、意外にもユーロドルにほとんど影響を与えていない。しかし、それは徐々に上昇しそうだとの声も出ている。米経済が他国を凌駕する、いわゆる米国の例外主義がFRBに他の中銀よりも長く高金利を維持させている。

 ただ、この例外主義も徐々に薄れ、FRBが利下げに転じれば、ユーロドルは上昇するという。11月の米大統領選は短期的にユーロドルの後退につながる可能性があるが、その場合はロングを積み増すべきだという。

 きょうのポンドドルは1.27ドル台で上下動。方向感のない展開が見られていたが、前日からの買い戻しの流れは続いているようだ。7月中旬からの下げは一服しており、200日線も維持されている中で、次の展開待ちの雰囲気のようだ。

 市場では英中銀の9月利下げへの期待は高まっていない。サービスインフレが依然として鎮静化しない中で、賃金上昇も続いており、英中銀の追加利下げはいまのところハードルが高いと見られている模様。短期金融市場での利下げ確率は40%程度となっている。

 ただ、英中銀は9月の金融政策委員会(MPC)で量的引締め(QT)は発表してくると思われている。今年10月から来年9月の12カ月間に資産購入枠を1000億ポンド削減するとの見方も出ている。その場合、10月からの資産購入ファシリティ(APF)の巻き戻しの期間中、英国債の償還は計870億ポンドになると推定されており、削減幅が1000億ポンドなら、実質の売りオペは130億ポンドに留まるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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