ドル円は157円を挟んで上下動 明日の重要イベント待ち=NY為替概況

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ドル円は157円を挟んで上下動 明日の重要イベント待ち=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は157円を挟んで方向感なく上下動した。序盤はロングの調整が出ていたのか156.80円近辺まで急速に下落。しかし、156円台に入ると押し目買いも活発に出るようで157円台に戻していた。

 しかし、午後になって発表された米10年債入札を受けて米国債利回りが低下したことから、ドル円も戻り売りに押され156円台に一時下落していた。明日の米消費者物価指数(CPI)とFOMCの結果待ちの中、米10年債入札への需要が極めて旺盛だったことから、明日の米CPIの軟化を市場は警戒したのではとの声も出ていたようだ。

 FOMCについては、FRBは前回よりもタカ派にシフトすると見られている。市場は年内の利下げを1回か2回で織り込んでいるが、明日のイベントを通過して、それに変化があるか注目される。今回のFOMCは委員の金利見通し(ドット・プロット)が公表されるが、3月時点の年内3回の利下げ回数の予想は下方修正されると見込まれている。ただ、利下げ無しまでの修正を見込む声は少なく、1回か2回に中央値を修正してくるものと見られている。どちらになるかで反応が違ってくる可能性はありそうだ。

 ユーロドルは1.07ドル台前半まで下げ幅を拡大し、200日線を下放れる展開が続いたものの、後半には下げ渋り1.07ドル台は維持した。明日の重要イベントを控えたドル買いも去る事ながら、ユーロ自体の売りも圧迫している。週末の欧州議会選挙の結果を受けて経済的・政治的苦境がユーロドルを安値に向かわせているという。

 ユーロドルは今後数週間で1.07ドル水準をブレイクし、1.06ドル付近にある年初来安値を目指す可能性があるとの指摘も出ていた。決定的なブレイクは機関投資家がユーロの強気ポジションを手放すか次第だという。米商品先物協会(CFTC)が発表したIMM投機筋の建玉報告によると、機関投資家は6月4日まで5週連続でユーロの買い越しを増やしている。フランスでの総選挙が控える中、ユーロのポジションを増やすことはないと見られているようだ。

 ポンドドルは1.27ドル台での推移。NY時間に入って米株式市場に売りが強まるなど、リスク回避に雰囲気も見られていた中、ポンドドルは戻り売りが出ていた。本日の21日線が1.27ドル台前半に来ているが、その水準に顔合わせしている。しかし、1.27ドルを割り込むことなく1.27ドル台半ばに戻した。

 本日は2-4月の英雇用統計が公表されていた。週平均賃金(ボーナスを除く)が前年比6.0%となり、予想の6.1%を下回ったほか、失業率は予想に反して4.4%に悪化し、2021年以来の高水準となった。ただ、英中銀の金融政策への期待に大きな影響を与えてはいないようだ。

 来週20日に英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されているが、7月4日の英総選挙が終了するまでは、英中銀の委員はすべての公式声明を取り止めることになっている。ただ、賃金(ボーナス除)が大きく伸びなかったことは、最低賃金の大幅引き上げの影響を懸念していた英中銀にとっては安心材料ではあったようだ。

*英雇用統計(2-4月平均)11日15:00
ILO失業率
結果 4.4%
予想 4.3% 前回 4.3%

*週平均賃金
結果 5.9%
予想 5.7% 前回 5.9%(5.7%から修正)(前年比)
結果 6.0%
予想 6.1% 前回 6.0%(除く賞与・前年比)

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