ドル円は155円台半ばに再び下落 明日の米雇用統計待ち=NY為替概況

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ドル円は155円台半ばに再び下落 明日の米雇用統計待ち=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが優勢となり、155円台半ばに再び下落している。海外時間に入って一時156円台に買い戻され、本日の156.30円付近に来ている21日線を上回る場面もあったものの、押し戻されている。

 市場の関心は明日の米雇用統計に移っているが、非農業部門雇用者数(NFP)は前回から若干の増加幅拡大が見込まれている。しかし、失業率、平均時給は前回と概ね同水準が見込まれている状況。一部のエコノミストからは、予想を下回り、米労働市場の冷え込みを示す内容になるのではとの見方も出ているようだ。いずれにしろ、来週のFOMCを前に米利下げムードが再び高まるかを確認するイベントとなりそうだ。

 ユーロドルは1.08ドル台後半での推移。この日のECB理事会を受けて、一時1.09ドル台に上昇する場面が見られた。ECBはこの日の理事会で利下げを開始。中銀預金金利を従来の4.00%から3.75%に引き下げた。2022年7月のマイナス金利解除以降、約1年11カ月続いた利上げサイクルに一旦終止符を打った。

 ただ、声明では「特定の金利の道筋をあらかじめ約束はしない」と述べたうえで、今年と来年のインフレ見通しを引き上げていた。ラガルド総裁も会見で、スピードとタイミングはデータ次第であることを強調。市場ではタカ派な利下げとの印象に結びついたようた。

 市場では次の利下げのタイミングに様々な見方が出ているが、9月との見方が多い。少なくとも7月の連続利下げを予想する向きは少ない。とはいえ、賃金上昇率は依然として高く、インフレも5月に上昇した点を考慮すれば、9月利下げはスラムダンク(確実な成功や容易な達成)ではないとの指摘も出ていた。

 ポンドドルは緩やかな売りに押され、一時1.27ドル台半ばに値を落とす場面が見られたものの、1.28ドル手前まで戻している。市場は明日の米雇用統計を待つ中で、ポンドについてはポジション調整中心の値動きに終始していたようだ。1.28ドル台では売り圧力が強まるものの、下押す動きも見られず、リバウンド相場を継続している状況。

 英国では7月4日に総選挙が実施される。世論調査では野党・労働党がリードしているが、世論調査通りに労働党が勝利しても、目先の経済の見通しに大きな変化はないと考えられている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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