前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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■博報堂DY <2433>  1,159円 (-197円、-14.5%)

 東証プライムの下落率トップ。博報堂DYホールディングス <2433> [東証P]が4日ぶり急反落。4日取引終了後に25年3月期連結業績予想を発表。売上高を前期比5.6%増の1兆円、営業利益を同5.0%増の360億円とした一方、最終利益は同39.8%減の150億円とした。大幅な最終減益となる見通しを示したことが嫌気された。前期に特別利益を計上した影響が出る見通し。配当予想は前期比同額の32円とした。同時に発表した24年3月期決算は売上高が前の期比4.5%減の9467億7600万円、営業利益が同38.1%減の342億8800万円、純利益が同19.6%減の249億2300万円だった。前の期の大型案件の反動減や販管費の増加が響いた。同社は子会社の過大請求事案を巡り決算発表を延期していた。

■レーザーテク <6920>  35,560円 (-2,900円、-7.5%)

 東証プライムの下落率4位。レーザーテック <6920> [東証P]が7日続急落。空売り投資家で知られるスコーピオン・キャピタルが5日、レーザーテクに関するレポートを公表。買い持ち高を圧縮する目的の売りを促す要因となったようだ。レポートのなかでスコーピオンは同社株の空売りを表明している。

■東洋水 <2875>  10,280円 (-655円、-6.0%)

 東証プライムの下落率9位。東洋水産 <2875> [東証P]が3日続急落。4日の取引終了後、上限を250万株(発行済み株数の2.45%)、または250億円とする自社株買いを実施すると発表したが、全般相場にツレ安となった。取得期間は6月5日から来年6月4日まで。事業環境や財務状況などを総合的に勘案し、機動的な資本政策を遂行するために取得するとしている。

■INPEX <1605>  2,314.5円 (-76円、-3.2%)

 INPEX <1605> [東証P]が大幅続落。そのほか、石油資源開発 <1662> [東証P]も続落となった。4日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日3日比0.97ドル安の1バレル=73.25ドルと下落。一時72.48ドルと2月上旬以来、4ヵ月ぶりの水準に下落した。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国から構成される「OPECプラス」の閣僚級会合は2日、協調減産を25年末まで延長することを決定したが、自主減産に関しては縮小することが明らかになり需給悪化が懸念され、原油相場は下値を探る動きが続いている。4日の米4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を下回るなど、米景気減速が警戒されていることも原油価格の下落要因となった。

■トリドール <3397>  3,665円 (-93円、-2.5%)

 トリドールホールディングス <3397> [東証P]が反落。4日取引終了後、2031年満期ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行すると発表。将来的な株主価値の希薄化を懸念した売りが出た。調達資金は約218億円(手取り概算額)。昨年子会社化した英国企業の買収資金のパーマネント化、海外新規出店などの成長投資に関する資金に充てる。

■トヨタ <7203>  3,218円 (-80円、-2.4%)

 トヨタ自動車 <7203> [東証P]が3日続落。下値模索の動きを強めたほか、ホンダ <7267> [東証P]、マツダ <7261> [東証P]など自動車株が総じて軟調な値動きとなった。自動車の量産に必要な「認証」を巡る不正行為が見つかった問題で、国土交通省が自動車メーカー5社に立ち入り検査をすることとなり、前日4日にトヨタに対し行い、5日も継続する方針。残る4社についても同日以降立ち入り検査を行う。今後の自動車生産に与える影響を懸念した売り圧力が拭えない状況だ。また、足もと外国為替市場でドルが売られ、一時1ドル=154円台まで円高にふれたことも、輸出採算悪化への警戒感から自動車セクターの見送りムードを助長した。

■三井住友FG <8316>  10,090円 (-250円、-2.4%)

 三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]が続落。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]やみずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]も売られ、地銀では北洋銀行 <8524> [東証P]が大幅安となるなど、銀行株の下げが目立った。5日の円債市場では長期金利が低下し、一時1%を割り込んだ。4日に日本の財務省が実施した10年物国債入札が強めの結果となり、債券需給を巡る過度な不安が後退するなかで、同日の米国市場では弱い雇用指標の公表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が強まった。米国景気に対する先行き懸念も債券選好の流れを後押しし、日米の長期金利に低下圧力を掛けている。銀行株に対しては、金利上昇に伴う事業環境の更なる改善を見込んで買い持ちした投資家による売り圧力が強まったようだ。

■IHI <7013>  3,864円 (-88円、-2.2%)

 IHI <7013> [東証P]が3日続落。4日の取引終了後、4月に公表した船舶用エンジンと陸上用エンジンの試運転記録の不適切行為に関して、中間報告をまとめて国土交通省に提出したと発表した。4月時点で不適切行為のあった台数は合計4361台としていたが、今回の報告書では4905台に拡大した。業績への影響については精査中として、調査結果を踏まえて影響が見込まれる場合は速やかに公表するとしている。今後の事業展開に及ぼす悪影響を懸念した売りが出たようだ。

■日経レバ <1570>  27,750円 (-520円、-1.8%)

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が続落。世界的な景気減速への警戒感から前日の欧州株市場が軒並み下落、米国では長期金利の急低下を背景にNYダウなど主要株価指数は上昇したが、強弱観が対立し方向感の定まらない値動きとなった。東京市場では荒い値動きをみせる外国為替市場を横にらみに、リスク回避の売り圧力が優勢だった。日経平均株価は先物主導で売りが乗せられ、寄り後に一気に下げ幅を広げる波乱含みの値動きとなった。日経平均に連動する仕組みで組成されたETFで、価格変動率が日経平均の2倍に設定されている日経レバも大きく下値模索の動きを強いられている。売買代金は全市場ベースで第3位となるなど、個人投資家の活発な売り買いが観測された。

※5日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース

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