前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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材料

■ITメディア <2148>  1,784円 (-200円、-10.1%)

 東証プライムの下落率4位。アイティメディア <2148> [東証P]が3日続急落。そのほか、三ツ星ベルト <5192> [東証P]、PHCホールディングス <6523> [東証P]など3月期決算企業で際立って配当利回りの高い銘柄の下げが目立った。28日は3月期末の配当権利落ち日にあたり、前日27日まで高配当利回りが着目され駆け込みで配当権利取りの動きがみられた銘柄は、28日は配当落ちに伴う下げ圧力が株価に反映されている。ITメディアは時価予想配当利回りが6.3%台、三星ベは同5.2%台、PHCHDは同5.7%台といずれも非常に高い水準にある。このほか、極東証券 <8706> [東証P]や丸三証券 <8613> [東証P]など証券株の一角も高配当利回り銘柄が多く、権利落ちに伴う影響を受けたようだ。ただ、過去の例で深押しは買い場となっているケースも多く、28日も銘柄によっては売り一巡後に押し目買いの動きが顕在化した。

■アイチコーポ <6345>  1,071円 (-79円、-6.9%)

 アイチコーポレーション <6345> [東証P]が3日ぶり急反落。27日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想の下方修正を発表した。今期の売上高予想は85億円減額し、525億円(前期比13.5%減)に修正。最終利益予想は14億円減額して46億円(同22.8%減)に見直した。最終利益は微増益の予想から一転、減益を見込む形となり、失望売りを促したようだ。トラックシャシーの認証が予想よりも大幅に遅れたことに伴い、シャシーの改修・登録業務において来期へのずれ込みが発生した。

■高砂香 <4914>  3,430円 (-240円、-6.5%)

 高砂香料工業 <4914> [東証P]が3日ぶり急反落。同社は27日の取引終了後、2026年度までの3ヵ年の中期経営計画を発表した。同年度の売上高を2200億円(23年度見通しは2000億円)、営業利益率5%(同1%)に伸ばすことを目指す。配当性向は平均で30%以上を目標とする。ただ同社株は直近で上昇ピッチを強め、高値圏で推移していたこともあり、目先の利益を確定する目的の売りに押される展開となった。

■クレハ <4023>  2,724円 (-84円、-3.0%)

 クレハ <4023> [東証P]が3日ぶり大幅反落。27日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想の下方修正を発表した。今期の売上収益予想を30億円減額して1770億円(前期比7.5%減)、最終利益予想も30億円減額して75億円(同55.5%減)に引き下げており、嫌気されたようだ。中国においてフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)製造設備の増強計画を中止する。業務用食品包装材部門では、熱収縮多層フィルム事業の撤退も決定した。これに伴い、関連する損失などを業績予想に織り込んだ。同社は21年に中国・常熟市でのPVDF製造設備の増強を決めたものの、現地での環境政策の変更に伴いスケジュールの遅延が発生。米国インフレ抑制法の成立で、リチウムイオン電池関連の市場環境にも変化が生じた。中国から米国への輸出が難しくなるなか、いわき事業所(福島県いわき市)における製造設備の増強で当面の需要に対応できると判断した。中国での既存のPVDF製造設備は、現地および欧州向けに生産を継続する。熱収縮多層フィルム事業に関しては、欧州でのインフレによるコストの増加などを背景に、事業の継続は困難と判断した。これらを受けた業績への影響は25年3月期にも出ると想定するが、中国での設備増強計画の中止に関する手続きや会社清算費用などで精査が必要だとして、金額は未定としている。

■ゼンリン <9474>  851円 (-24円、-2.7%)

 ゼンリン <9474> [東証P]が続落。27日の取引終了後、25日に開示していた投資有価証券の一部売却が完了したと発表した。C.E.INFO SYSTEMSの株式50万株を27日に約15億4400万円で売却した。これに伴い、投資有価証券売却益約14億8300万円が発生。24年3月期第4四半期(1-3月)に特別利益として計上する。通期の業績予想に及ぼす影響は、直近の業績動向を含め現在精査中であり、修正が必要な場合は速やかに開示するとした。ただ株価は直近で上値の重さが意識されており、発表を受けて買い上がる姿勢はみられなかった。更に28日は配当落ちの影響が出て、チャート形状が悪化したことも売りを促す要因となったようだ。

■アドテスト <6857>  6,695円 (-110円、-1.6%)

 アドバンテスト <6857> [東証P]が4日ぶり反落。前日27日の米国株市場は主力ハイテク株が総じて強い動きを示し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに切り返す展開となったが、そのなかAI・半導体関連の象徴株に位置付けられているエヌビディア  は連日で下値模索の動きとなった。年初からの大幅な上昇で目先買い疲れ感が意識されており、エヌビディアの軟調な株価を受けて、同社と密接な取引関係があるアドテストもその影響を受けたようだ。ただ、下値では出遅れた向きの押し目買いが入り、前日27日終値近辺で強弱観を対立させる状況となった。

※28日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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