官民挙げて普及まい進、「ステーブルコイン関連株」は真価発揮の時へ <株探トップ特集>

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コラム

―3メガバンク年度内実用化に向け実証実験を推進、金融庁が取り組みを後押し―

 法定通貨に価値を連動させたブロックチェーン上のデジタルマネー「ステーブルコイン」が国内で解禁されてから1年が過ぎた。2023年施行の改正資金決済法に基づき、金融庁が新興フィンテック企業JPYC(東京都千代田区)の円建てコイン「JPYC」の発行を昨年承認。同企業が同年10月27日から正式に発行をスタートさせた。その発行額は今年9月時点で累計100億円を突破した。普及にはまだ道半ばだが着実に広がりをみせており、同企業以外にも メガバンクなど金融機関を軸に幅広い分野でコインの発行や活用を目指す動きは活発化している。改めて関連銘柄に目を向けてみたい。

●三井住友FGとSBIがタッグ

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]傘下の三菱UFJ銀行など3メガバンクは7月、ステーブルコインの共同発行と活用に関する実証実験を実施した。三菱UFJ信託銀行、TISI <3626> [東証P]と連携し、業務オペレーションやシステムなど技術面の実現性を検証。更に三菱商事 <8058> [東証P]も参画し、同企業の日本拠点と海外拠点間のクロスボーダー決済を想定した実務対応の検証も行った。ここで得られた知見を踏まえ、今年度中の実用化に向けて取り組みを加速させていく構えだ。3メガバンクはNTTデータなどと組んで貿易決済への活用に向けた実証も進めている。

 メガバンクの一角、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]は別の動きもみせている。10月30日にSBIホールディングス <8473> [東証P]とステーブルコイン分野で資本・業務提携したと発表したのだ。SBIグループが6月に提供開始した円建てコイン「JPYSC」の活用可能性について調査や研究、具体的なユースケースの検討などを行い、新たな金融サービスの創出を目指すという。三井住友FGがSBIのグループ会社に資本参加する。

 SBIは同分野に注力していることで知られ、直近ではステーブルコイン決済基盤を手掛ける香港企業に出資したと明らかにした。りそなホールディングス <8308> [東証P]はデジタルガレージ <4819> [東証P]、ジェーシービー(JCB、東京都港区)などと組み、実店舗でコイン決済を行う実証実験を2~3月に実施。ソニーフィナンシャルグループ <8729> [東証P]傘下のソニー銀行は米国に子会社を設立し、ドル建てコイン発行・管理の事業化を目指す。北國銀行を傘下に持つCCIグループ <7381> [東証P]は預金型ステーブルコイン「トチカ」を展開している。

●日本は法整備で世界に先駆け

 ステーブルコインの普及に向けた動きは各国で進んでいる。米国では利用促進を図る「ジーニアス法」が昨年成立。このほど法律の施行に関する規制案がまとまり、来年1月から正式に実施される運びとなった。カナダも来年の関連法施行を予定している。欧州では域内の大手銀行がユーロ建てコインの発行に乗り出す姿勢をみせている。中国では香港において今年、コインの発行が初めて認可された。

 日本は23年の改正資金決済法によって法整備を完了しており、実は世界に先駆けている。既に金融機関の動きが相次いでいるが、金融以外でもKDDI <9433> [東証P]が「Pontaポイント」をステーブルコインに交換できるサービスを昨年開始し、羽田空港を運営する日本空港ビルデング <9706> [東証P]が今年初めにコイン決済の実証実験を行うなど動きは続々と出ている。政府においても公的給付に活用する話が持ち上がっているほか、民間の取り組みを後押しする姿勢も強めている。前述の3メガバンクの実証実験は金融庁の「Fintech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト(PIP)」の支援案件に採択されている。

●スピー子会社、三菱UFJ銀行に技術助言開始

 関連有望株としてマーケットの注目度が高いのが、アステリア <3853> [東証P]だ。システム開発会社だが、有望ベンチャーへ出資する投資事業も手掛け、その一つとしてJPYCに出資している。今年初めに同企業と資本・業務提携を結んで関係強化を図り、サービス開発など業務面での連携を推進している。アステリアの投資先には米スペースXがあることでも知られ、宇宙関連の側面でも関心が高い。JPYCに出資(直接またはファンド経由)している企業ではこのほか、ユナイテッド <2497> [東証G]や電算システムホールディングス <4072> [東証P]、AZ-COM丸和ホールディングス <9090> [東証P]、HEROZ <4382> [東証S]、テクミラホールディングス <3627> [東証S]などがある。

 データを利活用したマーケティング支援を手掛けるSpeee <4499> [東証S]も見逃せない。子会社のDatachain(データチェーン)が三菱UFJ銀行に対し、ステーブルコインをはじめとするオンチェーン金融インフラの技術基盤構築に関する技術アドバイザリーを始めると7月に発表している。証券・FX向けシステム開発のインタートレード <3747> [東証S]は持ち分法適用会社のデジタルアセットマーケッツにおいて、電算システムのステーブルコイン決済送金基盤の構築支援を担った実績がある。

 このほかではシンプレクス・ホールディングス <4373> [東証P]がコイン発行・償還システム「Simplex Stablecoin」を手掛け、ネットスターズ <5590> [東証G]はコイン決済に対応した店舗向けサービス「Stablecoin Pay」を7月に提供開始。DガレージはJCBと連携し、ローソン店舗でコイン決済の実証実験を8月に実施した。

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