需要喚起策の思惑で注目度急上昇、攻守備える「外食関連」有望株8選 <株探トップ特集>
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―高ボラティリティ相場で再評価機運、成長性とディフェンシブ性両存で投資妙味も― 日経平均株価は10月6日に7万円台に乗せた後、15日に過去3番目の下落幅をみせた。足もとでは持ち直しの動きとなっているものの、ネオクラウドと呼ばれる新興AI関連企業の信用不安がくすぶるなかで、振れの大きな相場展開が継続すると警戒する向きは多い。直近では高市早苗首相の発言をきっかけに、 外食関連株が賑わったが、米半導体株が再び調整色を強め、ディフェンシブセクターへの資金シフトが鮮明となった際には、好実態の外食株への選好姿勢が回復すると考えられる。 ●政府の需要喚起策検討で活気づく外食銘柄 高市首相は今月16日の参議院予算委員会で、プレミアム商品券や「Go Toイート」など外食需要を喚起する政策の検討を実施している旨を述べた。政府は2027年4月から2年間に限り、食料品に対する消費税率を1%に引き下げる方針を閣議決定し、10月5日召集の臨時国会で審議が続いている。かねてより消費減税が実施された際、消費者の需要の一部が外食企業から食品スーパーが販売する総菜や弁当などへ移ることが警戒されていた。今回の首相発言により「消費減税後の顧客の低迷を見越してショートポジションを構築していた投資家が買い戻しを迫られた」(国内証券)という面があるようだ。 外食市場自体は堅調な推移を続けている。同月26日に日本フードサービス協会が発表した9月度の外食売上高は長雨や台風が客足に悪影響を及ぼすなか、前年同月比7.3%増と増加基調が継続。伸び率は5月以来の高さとなった。首都圏では長雨が続いたものの客数も増加を続け、客単価の伸びも高水準となった。もちろん、外食企業全般に明るい見通しであるというわけではなく、収益力や客足の点で企業間の優勝劣敗が進むとの見方は多い。スケールメリットを生かすことのできる外食大手とは対照的に、中小・中堅の外食企業のなかには、原材料や資材高の高騰が成長の足かせとなっているところもある。 時価総額1兆円を上回る大手をみると、「すき家」「はま寿司」のゼンショーホールディングス <7550> [東証P]は10月20日に上場来高値を更新したほか、日本マクドナルドホールディングス <2702> [東証S]も10月に入り株価水準を切り上げた。ほかにも、値上げによる収益改善期待で注目を集めるサイゼリヤ <7581> [東証P]は9月下旬に底入れし、7月につけた上場来高値の奪還を狙う展開となっている。市場参加者の注目度が一気に高まった外食関連株のうち、今回は業績が好調な8銘柄をピックアップしていく。 ●進化する「串カツ田中」のユニシアHD ユニシアホールディングス <3547> [東証S]は生活道路沿いに出店する地域密着型居酒屋「串カツ田中」を運営している。串カツ田中は今期から次の20年、30年を見据え初めてのリブランディングを実施し、9月4日以降出店の全店舗で女性や一人客が入店しやすい新店舗デザインを採用。既存店舗も今後10年かけて改修に取り組む方針で、更なる進化を遂げようとしている。26年11月期はイタリアンレストラン「ピソラ」のM&Aコストやのれん償却費が利益を押し下げるが、第3四半期累計(25年12月~26年8月)決算は主力の串カツ田中が業績を牽引し、連結営業利益は前年同期比18.8%増の12億2600万円と大幅増益で着地した。株価はジリ高歩調で、20日に約半年ぶりの2000円台に乗せた。足もとで調整局面に入っているが、戻り売りをこなし、2月につけた年初来高値を更新できるか注視したい。 ドトール・日レスホールディングス <3087> [東証P]はコーヒーチェーン「ドトールコーヒー」「星乃珈琲店」などを出店している。27年2月期第2四半期累計(3~8月)連結決算は値上げやメニューの変更とともに、季節ごとの商品をはじめとする高付加価値商品の展開を進めることで、大幅増益を果たした。株価は今月に入って07年の上場来初となる3600円台乗せを達成。26日まで8連騰と気を吐いた。 コメダホールディングス <3543> [東証P]は名古屋発祥喫茶店「コメダ珈琲店」を運営している。27年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結営業利益が前年同期比11.9%増の52億5600万円と好調だった。人気コンテンツ「ポケモン」とのコラボキャンペーンやアプリでのスタンプキャンペーンなどが奏功したほか、8月に実施した包材や一部消耗品に関する加盟店向け卸売価格の引き上げが業績を押し上げた。株価は足もとで上げ足を強め、約2カ月ぶりに3000円台を奪還後、戻り売りに押されたものの、信用買い残の整理が進んだ。再上昇期待が高まっている。 ●中華料理系も業績好調で株価伸ばす ハイデイ日高 <7611> [東証P]は「中華食堂日高屋」を値ごろ感がある商品の提供にこだわって展開している。株価は9月下旬から戻り歩調が続いていた。業績は各種キャンペーンや営業時間の延長などが奏功し、27年2月期第2四半期累計(3~8月)単独決算で2ケタの増収増益を達成した。9月度の既存店売上高は前年同月比2.2%増の水準と43カ月連続で前年実績を上回っており、好調に推移している。8月中間期営業利益の通期計画(68億円)に対する進捗率は約60%に上り、業績上振れへの期待感は高い。 ギフトホールディングス <9279> [東証P]は横浜家系ラーメン店「町田商店」などを手掛ける。ラーメン業界は原価上昇などの影響で過去最大ペースの倒産件数で推移しており、厳しい競争の渦中にある。そんななか、同社では営業時間延長と店舗QSCA(品質、サービス、清潔、雰囲気)の向上による既存店売上高の伸長と同時に、食材調達の最適化や製造効率の向上などにより売上総利益率の改善が進ちょく。26年10月期第3四半期累計(25年11月~26年7月)の連結営業利益は前年同期比56.5%増の37億1800万円に急拡大しており、国内・海外の両方でラーメン市場シェアの5割を獲得という中長期目標の実現へまい進中だ。株価は9月24日に1968円で底入れした。 ●和食や郷土料理系も好況、肉料理も人気 サイプレス・ホールディングス <428A> [東証S]は主力の海鮮食堂「築地食堂源ちゃん」をはじめ36ブランドの飲食店を展開している。11月には新業態「天丼専門店 ゑるびす」1号店をオープンする。27年8月期は大幅な営業増益を計画。今期は30店舗を出店するが、うち10店舗を新出店チャネルと位置付けるロードサイド店とする。今年8月に「ロードサイド」の1号店としてオープンした「築地食堂源ちゃん甲府店」の売上高は予算比30%増の水準で推移し好調だった。株価は調整局面が続いていたが、足もとで上昇基調に入りつつある。 リンガーハット <8200> [東証P]は長崎の郷土料理ちゃんぽんを専門店「リンガーハット」で全国に届けている。今年2月に実施した値上げや顧客ニーズを捉えた新商品導入が奏功し、27年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結営業利益は前年同期比41.6%増の11億1800万円と大幅増益になった。足もとの株価は7月29日につけた年初来高値2458円に接近しており、約3カ月ぶりの高値更新が視野に入る。信用倍率は0.1倍台となっている。 ブロンコビリー <3091> [東証P]は「ステーキハウス ブロンコビリー」を東海や関東中心に出店している。26年12月期第3四半期累計(1~9月)連結決算は大幅な増収増益を達成。韓国グルメフェアや漫画作品とのコラボキャンペーンで新規顧客の獲得に取り組み、既存店売上高を前年同期比7.8%増の水準まで伸ばした。株価は23日に新高値3345円をつけた。 株探ニュース