不安定相場を乗り切る! 希少な11月期決算銘柄で賢く狙う優待投資 <株探トップ特集>

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コラム

―食事券・自社製品・ギフトカードなど、多彩な優待ラインアップで“実利”をとる―

 10月ももうすぐ終わろうとしているが、東京株式市場は上旬こそ日経平均株価が7万円台に乗せて高値圏で推移したものの、その後は全体として軟調な展開となった。27日は1000円を超える大幅な反発となったものの、なおも予断を許さない状況が続いている。

 背景にあるのはAI・半導体関連企業の収益化への懸念や金利動向の不透明感などだ。こうした状況下では少しの材料で株価が大きく反応しやすく、値動きだけを追う投資は難しさを増すことになる。

 そこで注目したいのは配当や株主優待などの「実利」を持つ銘柄だ。不安定な相場が続くほど、株主還元の厚い銘柄には個人投資家の買い支えが入りやすく、強固な下値抵抗力を発揮する。先行き不透明な調整局面だからこそ、確かな恩恵をもたらす優待銘柄を改めて見直したい。

●11月期決算企業は全体の2%未満

 東京証券取引所のプライム、スタンダード、グロース3市場に上場する企業のうち、11月に決算月を迎える企業は60社強に上るが、3市場に上場する約3700社の2%にも満たない。上場企業のなかでは比較的少数派だが、小売、外食、食品、サービス、旅行関連など個人消費に近い企業が目立つ月でもある。

 これは、12月はボーナス商戦や歳末セールが重なる最大の稼ぎ時であることから、「商戦の現場業務」と「実地棚卸し・決算対応・会計監査」が重なり現場の負担が過大になるのを避けるため、商戦直前の11月末に帳簿を締めたい企業や、冬場に1年の売り上げのピークを迎える企業が、新年度の期初からトップギアで拡販に乗り出す狙いがあるといわれている。

 こうした企業は個人消費者と直接接点を持つことから優待内容も、食事券、自社製品、割引券、カタログギフトなど幅広く、銘柄ごとの個性が出やすい。また、銘柄数が少ないだけに、優待内容や優待利回り、直近の業績などを丁寧にチェックすることが可能で、納得のいく株主優待を選ぶことができる。

●権利付き最終日は11月26日

 11月の株主優待の権利を得るためには、月末締めの企業ならば権利付き最終日である11月26日、象印マホービン <7965> [東証P]や北恵 <9872> [東証S]など20日締め企業ならば18日までに株式を購入し、保有している必要がある。毎月述べているように、人気の優待銘柄はここに向かって株価が緩やかに上昇することも多く、本来は1カ月前には保有して取捨選択しておくくらいの余裕がほしい。

 そのうえで、「月末まで保有して優待を確実に手にする」という選択肢はもちろん、権利確定を前に株価が配当・優待分以上に上昇したのであれば優待に固執せず、売却してキャピタルゲインを確定させる。つまり優待という実利を保険にしつつ、市場の熱量を利用して値上がり益を狙う「二段構え」が、資金効率の最大化につながるだろう。特に通常ならばすでに動意づいていてもおかしくはない10月下旬のこの時期に、最近の調整によって優待・配当利回りが魅力的な水準まで改善した銘柄も多く、ここから仕込んでも投資妙味があると言える。

 また、同じ銘柄の株式を現物で「買い」、同時に信用取引で「売り」を行うつなぎ売りの活用なども検討し、リスクを抑えることも考えたい。

●11月株主優待の代表的銘柄

 11月に株主優待の権利確定を迎えるのは、11月期決算企業と5月期決算企業だが、ここでは11月期決算企業を主に紹介したい。まず代表格といえば象印とキユーピー <2809> [東証P]だが、継続保有期間の要件のない象印から紹介したい。

 象印は炊飯器やオーブンレンジなど調理用家電の専業大手。株主優待は毎年11月20日時点で100株以上保有する株主を対象に、商品の優待特別割引による販売を実施しており、保有株数と保有期間に応じて1000~6000円割引販売する。ほしい家電がある時期と重なれば、家電量販店やネット通販のポイント還元込みの実質価格よりも安く手に入れられるケースが多く、数年に一度、家電を新調する際のお楽しみとして優待を活用する投資家も多い。

 キユーピーはマヨネーズ、ドレッシングで国内トップ。株主優待は毎年11月末日時点で100株以上を半年以上継続して保有する株主を対象に、保有株数と保有期間に応じて1000~5000円相当のグループ商品の詰め合わせを3月に提供している。マヨネーズやドレッシング、パスタソースなどの調味料・食品は日常的に消費するもののため、多くの投資家から長く愛されているほか、新たな商品との出会いにもつながっている。また、傘下のアヲハタのジャムなどもあり、生活への役立ち度が大きい。

 ユニシアホールディングス <3547> [東証S]は「串カツ田中」を中心に居酒屋や飲食店の運営・FC展開を手掛けている。株主優待は毎年11月末日及び5月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて2000~8000円(年4000~1万6000円)相当の食事券を電子チケットで提供している。「串カツ田中」は、全席禁煙店舗の推進、キッズサービスなどにも力を入れており、単なる居酒屋にとどまらず、ファミリー層の外食にも利用できるのが強みだ。

●まだある11月の優待銘柄

 また、このほかの特徴的な優待を行う企業も紹介したい。

 ラクト・ジャパン <3139> [東証P]はチーズやバターなど乳製品原料の輸入で国内首位級を誇る食品専門商社。株主優待は毎年11月末日時点で100株以上を2年以上継続して保有する株主を対象に保有株数に応じて3000円相当または5000円相当の自社選定カタログ商品を提供している。自社でチーズ製造施設なども有する強みが生かされており、カタログで選べる商品もパルミジャーノなどの本格チーズ、バター、ジェラートなどの品質が高いのが特徴で、一般的な汎用カタログギフトと比べて満足度・特別感があると人気だ。

 ホリイフードサービス <3077> [東証S]は、北関東を地盤に新和風ダイニングレストラン「隠れ菴 忍家」などを展開する外食チェーン。株主優待は毎年11月末日時点で500株以上を保有する株主を対象に保有株数と保有期間に応じてジャパネット電子クーポン(1万~11万円相当)、または自社店舗食事券(1万5000~16万5000円相当)を提供する。近くに店舗がない地域に住んでいる投資家にとっても、全国で使いやすいジャパネット電子クーポンを選択できるのが特徴で、更に2026年11月末日時点で1000株以上を保有する株主には、クルーズ船による日本一周旅行・南国旅行の抽選にも参加可能としている。

 マネーフォワード <3994> [東証P]は個人向けに家計簿サービス「マネーフォワード ME」や、法人向けに経理や人事労務などのバックオフィス支援サービスを展開している。株主優待は毎年11月末日及び5月末日時点で100株以上を継続して半年以上保有する株主を対象に保有株数に応じて「マネーフォワード ME」プレミアムサービスや「マネーフォワード クラウド確定申告」で利用できるクーポンを提供している。年2回届くため、条件を満たせば実質無料で有料機能を利用し続けられるのが特徴で、ユーザーにとってはうれしい内容となっている。

 ASAHI EITOホールディングス <5341> [東証S]は衛生陶器や洗面化粧台などを手掛ける老舗住宅設備メーカー。株主優待は毎年11月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に保有株数1000株未満で「雑貨店KURAWANKA通販クーポン」(400円相当)、保有株数1000株以上でドリップコーヒー詰め合わせを提供している。株価が120円前後で最低投資金額が小さいため、400円相当のクーポンであっても計算上の優待利回りは3.2%台と高いのが特徴だ。

 アステナホールディングス <8095> [東証P]は医薬品・原料商社から後発薬・医薬品製造受託や表面処理薬の製造に展開するファインケミカルグループ。株主優待は毎年11月末日時点で500株以上を1年以上継続して保有する株主を対象に保有株数と保有期間に応じて3000~1万5000円相当の自社商品または1000~5000円相当の商品・寄付を提供している。自社商品には、グループ会社が手掛けるスキンケアやコスメ用品が含まれており、美容やヘルスケアに興味がある投資家にとっては満足度が高い内容となっている。

 ホテル、ニューグランド <9720> [東証S]は横浜・山下公園前の老舗ホテル「ホテルニューグランド」を運営している。株主優待は毎年11月末日時点で100株以上を保有する株主を対象に「ホテル利用券」引換券を保有株数と継続保有期間に応じて1000~8000円分提供するほか、10%の宿泊割引や10%の飲食割引、保有株数に応じたコーヒー券(5~20枚)を提供している。同ホテルは「ドリア」「ナポリタン」「プリンアラモード」の発祥地としても知られる歴史的名門ホテルで、現地をよく訪れるファンや近隣住民にとっては実質的な体験価値や満足度が高い優待といえる。

 トーセイ <8923> [東証P]はマンションやオフィスなどの再生・開発及びファンド運用などを手掛ける総合不動産会社。株主優待は毎年11月末日時点で200株以上を保有する株主を対象に、グループが運営するホテル施設利用割引券3000円分と継続保有期間1年以上の株主には保有期間に応じてVISAギフトカードを1000~3000円分を提供している。自社ホテル限定の割引券だけではなく、1年以上継続保有することで全国のVISA加盟店で幅広く使えるギフトカードが追加されるため、利便性の良い優待として注目されている。

 このほか、11月末日時点で300株以上を保有する株主を対象に保有株数に応じて1万~5万円相当の電子ギフトを提供するオンデック <7360> [東証G]、毎年11月末日時点で300株以上を保有する株主を対象に6000円分の電子ギフトを提供するproperty technologies <5527> [東証G]は優待利回りが高く要注目。また、毎年11月末日時点で500株以上を保有する株主を対象に保有株数に応じて3000円分または1万円分のデジタルギフトを提供するバイク王&カンパニー <3377> [東証S]も人気が高い。

(株主優待の内容はいずれも10月27日時点)

株探ニュース

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