悲観は好機に変わる!「先端AI半導体ニッチトップ」最強6銘柄を拾え <株探トップ特集>
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―コアウィーブ波乱は買い場提供、AI時代に不可欠なトップシェア企業群に刮目せよ― 週明け19日の東京株式市場は波乱展開を余儀なくされ、日経平均株価は一気に6万4000円台を割り込む場面があった。前週末の米国株市場で半導体セクターを中心にリスク回避の流れが強まり、東京市場でも後半は先物主導で買い戻されたものの、基本的に米株市場に追随する荒れた地合いとなっている。10月相場は出足こそ好調だったが、その後は倍返しの下げに見舞われた。クラウドコンピューティングを供給する米コアウィーブの資金調達への不透明感が引き金となり、またぞろAIインフラへの過剰投資に対する懸念が蒸し返され、投資家心理を激しく揺さぶっている。 しかし、現状で日米のAI周辺銘柄の業績は陰りがないどころか概(おおむ)ね絶好調に推移している。 AI・ 半導体セクターに関して、今は先行きに対する不安がファンダメンタルズの優位性を打ち消しているような状態だが、こうした光景はこれまでに何十回と繰り返されてきたことを忘れてはならない。結果的にはその都度、絶好の拾い場を提供した格好となっている。今回のケースでは買い残が膨張するなか、信用取引を活用してむやみに買い向かうのは危険だが、現物で買い下がるには良いタイミングを迎えている。仮に信用の投げが生じてオーバーシュート気味に売られる場面が生じれば、そこは腰を入れて逆張りに動く算段で臨む。 ●売り叩かれたAI半導体界隈のニッチトップ狙い ここでマークしておきたいのは、先端AI半導体関連やその周辺分野で世界的に圧倒的な競争力を有するいわゆる「ニッチトップ」の銘柄群である。業績が飛躍的に伸びているさなか、過剰投資懸念及び、それを伏線とした資金調達難はショートセラー(売り方)の論理としても仕掛けの拠りどころとなっている。しかし、半導体業界のチョークポイントとなり得る重要部材の供給元として成長路線を走る企業は、その他の企業とは一線を画す。株式市場でも株価の復元局面でアドバンテージが与えられている銘柄群といってよい。 とりわけ日本国内では半導体の後工程に ニッチトップは多い。くしくも現在の半導体業界は生成AIの加速度的な成長をバックグラウンドに、GPUやHBMなどのAI半導体の先進パッケージなど後工程が競争舞台となっている。前工程は世界を見渡してもメガトップの独壇場でニッチトップの優位性が発揮しにくい。また、半導体チップも一辺倒に微細化を競う時代ではなくなってきているため、前工程よりも後工程に比重が置かれ、そこでニッチトップが開花する構図が描かれている。 ●「野に遺賢あり」、ポスト・レーザーテックを探せ ニッチトップ企業は高い商品競争力で先端半導体の製造工程における要衝(ボトルネック)を押さえているため、当該商品の価格決定権を掌中に収めているといっても過言ではない。高い利益率の維持が担保されるうえ、そのニッチ性が参入障壁を高くし、時流に乗れば驚異的な成長ステージへ駆け上がるケースも珍しくない。過去の例ではマスクブランクス検査装置で世界のオンリーワン企業として業績と株価を大変貌させたレーザーテック <6920> [東証P]などが代表的だ。シェア100%のレーザーテックは特異な事例としても、今のようなAI革命が進むプロセスで、構造的かつ強力な追い風が吹く看板商品を抱える銘柄群は見逃せない存在といえるのだ。 話題性のある銘柄では、例えば半導体パッケージ基板用の層間絶縁材料「ABF」のモノポリーサプライヤーである味の素 <2802> [東証P]や、GPU向けICパッケージで他社の追随を許さないイビデン <4062> [東証P]などが有名。またADEKA <4401> [東証P]はメモリー半導体向け高誘電材料で一頭地を抜く存在となっている。ソルダーレジストでは太陽ホールディングス <4626> [東証P]が世界のトップシェア企業として名を馳せる。 ●電力インフラ分野もニッチトップの宝庫 また、 生成AI時代に脚光を浴びるのは先端AI半導体界隈だけではなく、その外側のインフラである「電力」も忘れてはならない。世界的な データセンター建設ラッシュとなるなか、莫大な電力需要が発生することは確実で、これに関係したテクノロジーにも世界の耳目が集中している。そして、ここでも独自技術を武器に日本メーカーのニッチトップとしての実力がクローズアップされている。 先端半導体の製造工程や電力問題などを背景に、生成AI時代の縁の下の力持ちが東京市場には数多く上場していることは紛れもない事実であり、これらの銘柄はグローバルな見地から株価変身に向けたDNAを宿しているといってもよい。今回のトップ特集では、先端AI半導体の後工程及び電力インフラなどに関わる銘柄を中心に、リベンジ株高が期待される有望株を6銘柄抜粋した。 ●ここからリベンジ相場突入の実力株に照準 【高度紙はアルミ電解コンデンサー用の特需獲得】 ニッポン高度紙工業 <3891> [東証S]は電気絶縁用セパレーターの専業メーカーで圧倒的な商品競争力を誇り、特にアルミ電解コンデンサー用では世界シェア約60%という断トツの実力を有する。そして、データセンター向けではAIサーバーの電源ユニットや供給設備の無停電電源装置(UPS)などで高水準のニーズを獲得しており、今後の世界的なデータセンター建設を背景に同社の活躍余地が広がっていくことになる。なお、データセンター向けでは、セルロース繊維に機能材料を埋め込んだ薄型高熱伝導率放熱シートの開発を進めている。業績は飛躍的な成長に入っている。27年3月期は売上高が前期比29%増の240億円、営業利益は同70%増の60億円を見込んでいる。 株価は約2カ月半にわたって6000~8000円を軸としたボックス圏推移だが、目先はその下限に近い水準にある。早晩もみ合いを上放れ、若干の日柄を要しても、日足一目均衡表の雲抜けから9000円台活躍を視野に置いた展開が狙える。リバウンドに転じれば9000円台まで滞留出来高も少ないことから、上値の軽さが意識されそうだ。 【芝浦は先端AI半導体向け装置などの開発加速】 芝浦メカトロニクス <6590> [東証P]は洗浄装置や成膜装置など半導体製造の前工程で実績が高いほか、主力の後工程でもHBMなどの先端AI半導体向けボンディング装置(接合装置)などで商品競争力の高さを際立たせている。台湾のTSMC 向け受注拡大が顕著だ。加えて、昨年12月には薬液を使って洗浄やエッチングを行う先端AI半導体向けパネル用ウェットスピン装置を開発したことを発表した。同社はグローバル・ニッチトップ戦略を経営方針として明確に掲げ、業績はトップライン、営業利益いずれも拡大基調を堅持してきた。27年3月期以降もそのトレンドに変化はない。営業利益は前期比5%増の160億円予想だが、そこから30億円超上振れるとの見方もある。 株価は7月6日に6320円の上場来高値を形成も、その後は軟化傾向をたどっている。複数の外資系証券の貸株調達に伴うショート戦略に乗せられ、思わぬ深押しとなったが、売り出尽くし局面が近い。大幅な調整を入れたものの、時価3000円台半ばは値ごろ感が意識される水準。4400円近辺を走る75日移動平均線ブレイクが目標に。 【北川精機はCCL成形用プレス機で業績変貌へ】 北川精機 <6327> [東証S]はFA機器メーカーだが、独自の技術力でAI関連投資需要を囲い込み業績を躍進させている。近年はAIサーバー向けに高多層・高性能プリント基板材料である銅張積層板(CCL)の需要が沸騰状態にあるが、同社はこのCCL成形用真空大型プレス機で世界トップシェアを確保していることが注目されている。同商品を武器に、同社の受注残高は前期末時点で前の期比約2.5倍の107億3700万円に急拡大しており、これは27年6月期の売上高予想100億円を上回る水準である。今期営業利益については前期比26%増の12億円で連続ピーク利益更新を見込むが、一段の上振れが濃厚視される状況だ。好業績を背景に株主還元にも相変わらず積極的で、大幅増配を行った前期に続き、今期は前期実績から更に2円上乗せした25円を計画している。 今年の年央にかけ株価は大変貌を果たし、7月2日に9480円の上場来高値を形成。その後は急な調整に見舞われ、時価は本格人気化前の5月下旬の水準である2000円台半ばまで値を下げた。ただ、この深押し場面は絶好の買いチャンスとなりそうだ。上げ足の速さは折り紙付きで、今月上旬の直近戻り高値水準3500円近辺がリバウンドの第一目標。 【武蔵精密はAIDC向け次世代蓄電装置で飛躍】 武蔵精密工業 <7220> [東証P]はトランスミッションギアやシャフトなどを製造する自動車部品メーカーで、筆頭株主のホンダ <7267> [東証P]向けが売上高の約半分を占める。評価ポイントは、同社が開発・量産に向け鋭意取り組んでいる次世代蓄電システム「ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)」が米エヌビディア を筆頭にAIインフラの要を担う可能性が高まっていること。同商品のデータセンター向け需要はグローバルベースで1500万個以上との試算もあり、将来的に強力な成長ドライバーとなる公算大。業績面は27年3月期第1四半期(26年4~6月)の営業利益が前年同期比28%増と足もと好調だ。通期ではHSCへの先行投資負担などに伴い、同利益は前期比10%減の185億円を見込むが上振れの可能性を内包。更に28年3月期は今期推定比3割近い増益余地が指摘される。 株価は今年6月1日に1万550円の上場来高値をつけたが、そこから時価は“半値八掛け二割引”を下回る水準まで下落している。大底圏といってよく、大手証券などの掲げる目標株価からも大幅下方カイ離していることで、ここは中期で買い直すチャンスと心得たい。 【ニチコンはMLCC代替が成長加速シナリオに】 ニチコン <6996> [東証P]はアルミ電解コンデンサーを主力とし、同分野の商品競争力の高さは日本ケミコン <6997> [東証P]と双璧。特にAIサーバー向けに長L形アルミ電解コンデンサーや導電性高分子ハイブリッドに高水準の引き合いがある。また、積層セラミックコンデンサー(MLCC)からの代替商品として積層形導電性高分子アルミ固体電解コンデンサーにも注力し、今後の成長シナリオをアップデートしている。27年3月期の営業利益は前期実績に続いて大幅増益見通しにあり、前期比35%増の87億円を予想。しかし、市場ではこれでも保守的との見方が強く、90億円台前半まで上方修正余地があるとみられている。今期想定為替レートは1ドル=150円に設定されており、ドル・円相場の実勢よりかなり円高水準であることから為替メリットも反映されそうだ。 直近、10月中旬の日経平均急落に連動して株価が25日移動平均線を下放れる格好となったが、ここは中期スタンスで拾い場提供となっている公算が大きい。ボックス圏の上限ラインとして意識される2800円ラインの奪回が当面の戻りターゲットに。 【東洋合成はレジスト材料の圧倒的サプライヤー】 東洋合成工業 <4970> [東証S]はフォトレジスト用感光性材料のグローバル・ニッチトップで世界シェア70%以上と推定される。半導体の微細化における必須部材であるフォトレジストだが、その心臓部を担う中間材料が同社の製造する感光性材料である。フォトレジストは日本企業が世界の9割のシェアを獲得している。同社はそのすべてに感光性材料というキーマテリアルを供給するという極めて不可欠性の高いポジションを確保している。特に近年は最先端半導体の需要加速を背景にEUV(極端紫外線)レジスト材料であるPAG(光酸発生剤)の伸びが著しい。27年3月期の業績は売上高が前期比19%増の500億円と連続で過去最高更新を予想。営業利益は同58%増の58億円と4期ぶりに大幅ピーク利益更新を見込むが、第1四半期(26年4~6月)の進捗率から一段の上方修正期待が漂う。 昨年9月を起点とする大相場で、今年5月14日には1万9310円の上場来高値を形成した。しかし、夏場以降は大きく株価を切り下げ、時価9000円台絡みは約1万円もディスカウントされた水準だ。来期業績も過去最高更新が続く公算は大きく、早晩1万円大台復帰を通過点に、26週移動平均線が走る1万3000円台半ばを目指す展開が視野。 株探ニュース