明日の株式相場に向けて=青空圏復帰のカギ握る安川電決算 

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 8日の東京株式市場で日経平均株価は993円安と続落。7万円を割り込み、安値引けとなった。新基準による構成銘柄が前日に公表された東証株価指数(TOPIX)も続落し、25日移動平均線を下抜けた。
 
 台湾の半導体受託製造世界最大手TSMC<TSM>が8日に発表した9月単月の売上高は前年同月比54.6%増と大幅な増収となったものの、前月比では0.6%減とわずかに落ち込んだ。AI・半導体関連株の先高観に水を差す格好となり、大引けにかけて先物売りが膨らみ日経平均は軟化を余儀なくされた。半面、サイバーセキュリティー関連の一角がきょうも気を吐き、FFRIセキュリティ<3692.T>などがストップ高を演じた。

 世界的にサイバー攻撃による情報漏洩が相次いでいる。急速に進化したAIが世界のありとあらゆる企業・政府機関のシステムの穴を探して回り、不正アクセスを行って情報を奪い取ろうとしている構図だ。ハッキングする側も防御する側もAIならば、防御する側に強いAIを寄せるしかなく、そのAI技術は海外の新興企業が押さえている。米国においてサイバーセキュリティー関連株が大きく盛り上がっているかというと決してそうではなく、クラウドストライク・ホールディングス<CRWD>の上昇基調はすでに一服し、クラウドフレア<NET>についてはレンジ相場の上抜けには至っていない。サイバーセキュリティー関連株に流入した資金のアンワインドの動きに警戒したいところである。

 明日9日は10月限の株価指数先物ミニ・オプションの特別清算指数(SQ)の算出日となる。9月末時点の日経平均のウエートで第3位の座を占めるファーストリテイリング<9983.T>は、8日の取引終了後に26年8月期決算とともに27年8月期の業績予想を開示した。今期の純利益は前期比3.2%増の5600億円と、7期連続最高益の更新を計画するものの、市場予想には届かなかった。PTS(私設取引システム)をみると同社株は8日の東証終値を下回って推移している。SQ算出日の日経平均に同社決算がどのような影響を及ぼすのか注視される。

 直近で広がった金利高懸念に関して言えば、7日実施の米10年債入札は旺盛な需要を集め、8日実施の日本の30年債入札も応札倍率が上昇し無難な結果となった。フランスの財政問題という波乱要素を抱えながらも、市場では「内外の債券需給はしっかりしており、日銀の追加利上げの織り込まれ方も行き過ぎたところがあった。金利高懸念は徐々に薄れていくに違いない」(国内アセットマネジメント)との声が出ている。米中間選挙後の株高アノマリーや企業業績の上振れ期待が語られるなかでは悲観に傾くのは難しい。

 加えて、9日は引け後に安川電機<6506.T>の27年2月期第2四半期累計(3~8月)の決算発表が控えており、市場参加者の耳目を集めることとなる。第1四半期(3~5月)は基幹システムの移行による生産面での影響が出て純利益は前年同期比22%減となり、発表翌営業日の同社株はストップ安の水準に売られた。第2四半期で生産の正常化と、堅調な受注状況が確認できるかどうかがポイントとなっている。「金利高でも企業の設備投資が高水準な状況であることが日銀短観からも示されている。安川電が好決算を示せば、今後の企業決算に対する市場の期待が強まり、近いうちに日経平均は最高値を奪還することになるに違いない」(中堅証券)との見方がある。短期過熱感の台頭を受けた利食い局面を押し目買いの好機とみなす投資家は一定数存在しており、日本株の下値を支持することになりそうだ。

 日程面では9日は国内に8月の全世帯家計調査が寄り前に公表される。取引時間中は9月工作機械受注が発表される予定。安川電のほか、Sansan<4443.T>やマルマエ<6264.T>、古野電気<6814.T>の決算発表も控えている。海外では韓国と台湾市場が休場。米10月ミシガン大学消費者信頼感指数やノーベル平和賞の発表も予定されている。(長田善行)

出所:MINKABU PRESS

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