明日の株式相場に向けて=未来を加速させる「自動運転関連」に照準

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 週明け28日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比486円安の6万5877円と6日ぶりに反落。朝方取引開始前は先物が怪しい動きで距離感のつかめないオープニングとなったが、日経平均は寄り後に次第高で上値を追ったものの、取引開始後20分あまりで放物線の頂点に到達、その後は下値模索の動きに終始した。特に取引最終盤は釣瓶(つるべ)落としのごとく下げ幅を広げ、結局この日の安値で着地するという引け味の悪い展開を余儀なくされている。きょうは権利付き最終売買日であったが、9月中間期末の配当取りの動きなどを囃す声は、ほとんど掻き消された格好だ。あすは配当権利落ち日ということもあって、今度は深押しを警戒しなければならない。

 米中首脳会談は共同声明や共同記者会見が見送られ、何というかトランプ米大統領が中国の習近平国家主席に阿(おもね)ることを目的とした会談だったようにも見えてしまう。もちろん戦略的な交渉の要素はあったはずだが、中国の相対的優位を確信的に印象づけた。驚かされたのは「歴史認識」でトランプ氏が、第二次世界大戦で米中は同盟国として一緒に戦ったと発言したことで、この時米国が肩を並べて戦ったのは中華民国、いうまでもなく台湾の方であった。これが単なるトランプ氏の無知なアドリブなら失笑で済むが、中国と水面下ですり合わせたものであったとしたら、事態は由々しき方向に振れている。習近平氏は、「日本軍国主義の侵略者に抵抗して反撃した」と返しているが、これは日本も台湾も看過できない言葉のキャッチボールであった。

 高市早苗首相とトランプ氏によって米中首脳会談の直前に行われた日米首脳会談は、強固な日米関係を誇示して中国に対する威嚇ととることもできたが、どうもそれは楽観的な見方に傾斜したものかもしれない、と感じてしまう一幕でもあった。高市首相がドナルドとファーストネームで呼ぶことで親近感を演出しても、トランプ氏から「Prime Minister of Japan」と返されては立つ瀬がない。トランプ氏の余裕のなさが今後は一段と浮き彫りとなる可能性がある。株式市場は必ずしもそれを嫌気しないかもしれないが、米中間選挙後の「ねじれ議会」が株高の原動力となるとも思えない。しばらくは半身に構えた投資姿勢が必要である。

 全体相場の雲行きが怪しい時は個別材料株の出番でもある。そうしたなか、自動運転関連銘柄の物色の裾野が広がっており、改めてマークしておきたい。先行スタート組のアイサンテクノロジー<4667.T>、フィーチャ<4052.T>、ヴィッツ<4440.T>、ダイナミックマッププラットフォーム<336A.T>が大相場に発展したが、その局地的人気沸騰では終わらなかった。ひと呼吸おいて、自動運転車及びそのインフラなどのシステム構築で商機が高まる「ツルハシ銘柄」の方に投資マネーが流入した。当欄でもハード系銘柄として初動時に取り上げた原田工業<6904.T>が強烈な上げ足を披露、きょうはストップ高カイ気配に張り付いた。原田工業は車載用を中心とするIoTアンテナサプライヤーとして存在感を高めている。

 この流れで注目したいのは、まず日本電波工業<6779.T>。同社は水晶振動子や水晶機器など水晶デバイスの専業メーカーとして、世界トップクラスの技術力とシェアを誇る。車載向けでは先進運転支援システム(ADAS)や自動運転分野の技術的成長に添う形で旺盛なニーズを捉えている。このほか、モーターコアのシンボルストックである三井ハイテック<6966.T>にも新たな評価余地が生まれている。自動運転車は同社の主戦場であるEVやHVとの親和性が高いことはいうまでもない。加えてシステム上、車載用レガシー半導体とそのリードフレームについてもこれまでとは段違いの数量が必要となる。更に、もう1社挙げるとすれば、日本CMK<6958.T>も見逃せない存在といえる。プリント配線板首位で売上高の8割が自動車向けで占める同社だが、ADASの市場拡大と自動運転への進化プロセスに伴い、車載部品の電子制御ユニット(ECU)は分散されていた各種機能を統合する流れにあり、同社が有する大手ならではの多彩な回路基板の商品ラインアップが躍動する。

 他方、自動運転テーマにおけるツルハシ系ではないプレーヤーサイド、いわゆるソフトウェア分野の銘柄にもまだ大輪を開花させる前の蕾がマーケットには多く眠っているはずである。デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916.T>をその有力候補に挙げておきたい。独立系システムインテグレーターで車載や通信機器の組み込み系ソフトウェアで実力が高い。自動運転時代は自動車の車両そのものが巨大なモバイル情報端末と化していく。サイバーセキュリティー分野の高い実力も評価、これまでの車両とは次元の違う需要が発現することは必至で、これをビジネスチャンスとして漸次取り込んでいくことになる。

 あすのスケジュールでは、前場取引時間中に40年物国債の入札が予定されているほか、後場取引時間中には7月の景気動向指数改定値が公表される。なお、この日は定例閣議が行われる。個別にIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にクラサスケミカル<646A.T>がダイレクト・リスティング方式で新規上場する。海外では豪中銀が政策金利を発表する。また、米国で重要指標の開示が相次ぎ、8月のS&Pコタリティ・ケース・シラー住宅価格指数、8月の米雇用動態調査(JOLTS)、9月の米消費者信頼感指数などにマーケットの注目度が高い。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁の講演も予定され、その発言内容に耳目が集まる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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