前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

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材料

■SWCC <5805>  11,180円 (+520円、+4.9%)

 東証プライムの上昇率10位。SWCC <5805> [東証P]が大幅反発。同社は11月28日、グループのSDSがベトナムの大手電線・巻線メーカーのSACOMと日本総代理店契約を締結したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。これにより、SDSはSACOMが製造するモーター・トランス向け汎用巻線「1-PEW」シリーズの独占販売を開始。SDSの多様な販売チャンネルとEC通販サイト「蛙屋」の利便性を生かした独自の販売力を通して、2030年までに汎用巻線事業の売上高約60億円(24年実績比で約2倍)を目指し、収益力の向上を図るとしている。

■富士紡HD <3104>  8,000円 (+370円、+4.9%)

 富士紡ホールディングス <3104> [東証P]が大幅反発。同社は11月28日、研磨材製品であるソフトパッドの需要拡大を見据え、子会社のフジボウ愛媛の壬生川工場(愛媛県西条市)内に新たに建屋を建設し、製造ラインを増設すると発表。これが材料視されたようだ。同社の研磨材事業は、半導体デバイス用途やシリコンウエハー用途、液晶ガラス用途、ハードディスク用途など業容が拡大しており、今後も需要拡大が見込まれることから新たな設備投資を実施するという。なお、投資額は約87億円で、稼働開始は28年度下期ごろを予定している。

■まんだらけ <2652>  352円 (+13円、+3.8%)

 まんだらけ <2652> [東証S]が大幅反発。同社は前週末11月28日の取引終了後、10月の月次売上高を発表。既存店売上高は前年同期比15.2%増の12億6700万円となった。3ヵ月連続で前年同月を上回る結果となり、評価されたようだ。全店売上高は同10.7%増の12億9400万円となった。年6回開催している大オークション大会が前年を超える結果となり、業績を後押しした。東京・秋葉原の既存店舗コンプレックスの隣にオープンしたコンプレックス2の売り上げが順調に推移したほか、10月18日に拡大オープンした神戸市のPUCK2も好調な滑り出しとなったという。

■サンエー化研 <4234>  842円 (+28円、+3.4%)

 サンエー化研 <4234> [東証S]が大幅続伸。11月14日に大陽線を示現し、マーケットの視線を集めたが、PBRが0.3倍前後と超割安圏にあったことで、波状的な水準訂正狙いの買いが続いていた。株価は動意前の11月13日終値である580円から半月あまりで50%近い上昇をみせているが、依然としてPBRは0.3倍台に位置したままとなっていた。プラスチックフィルム加工メーカーで、軽包装材や産業資材、機能性材料を収益の3本柱とし、このうち機能性材料では主にスマートフォンや液晶テレビなどに使用される表面保護フィルムで高実績を有する。製品開発力にも長じ、完全密封包装された状態のまま電子レンジで加熱調理できる「レンジDo!」を開発、需要獲得が進んでいる。

■メガチップス <6875>  8,050円 (+200円、+2.6%)

 メガチップス <6875> [東証P]が反発。11月28日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、最終利益を90億円から115億円(前期比2.1倍)へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を210円から250円へ引き上げたことが好感された。保有するSiタイム  株式40万株を売却したのに伴い、150億円の投資有価証券売却益を特別利益として計上することなどが要因。なお、売上高420億円(同0.8%減)、営業利益30億円(同37.0%増)は従来見通しを据え置いた。

■ジオスター <5282>  357円 (+9円、+2.6%)

 ジオスター <5282> [東証S]が続伸。11月28日の取引終了後、26年3月期の連結業績予想について、営業利益を11億2000万円から13億円(前期比16.2%減)へ、純利益を7億3000万円から8億5000万円(同1.8%増)へ上方修正し減益予想から一転最終増益予想にするとともに、期末配当予想を3円から4円50銭に引き上げ年間配当予想を8円50銭(前期11円)としたことが好感された。売上高は274億円(同4.0%減)の従来見通しを据え置いたものの、コスト上昇に対する販売価格転嫁などによるプロジェクト損益の改善が寄与した。

■ITFOR <4743>  1,708円 (+38円、+2.3%)

 アイティフォー <4743> [東証P]が続伸。1日、入金案内業務を自動化するサービス「Payコレクト」を来年4月に提供を開始すると発表しており、好材料視された。同サービスは、国内で約180の債権管理システムを提供する同社のノウハウを生かした信頼性の高いサービスとして開発。企業が保有する入金案内データを送るだけで、顧客への連絡、入金約束の受け付け、支払いの完了までを一気通貫で自動化するサービスで、幅広い業種に対し提供を進め、オペレーター不足の解消と顧客の利便性向上の両立を目指すとしている。

■日ケミコン <6997>  1,502円 (+31円、+2.1%)

 日本ケミコン <6997> [東証P]が3日続伸。同社は11月28日、画像解析の精度向上や製造現場での高速・高精度な検査ニーズの高まりを背景に、カラー対応の新型カメラモジュールを開発したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この製品は、グローバルシャッター方式による歪みのない撮像、高速出画、低消費電力設計を特徴とし、汎用プラットフォームとの接続も可能。これにより、開発・評価環境の構築が容易となり、色判別を含む多様な検査用途への展開が期待できるとしている。

■クラシル <299A>  1,345円 (+26円、+2.0%)

 クラシル <299A> [東証G]が続伸。11月28日の取引終了後、新設子会社のATFが、アニメーションやバーチャルタレントの企画・制作などを手掛けるNROプロダクション(東京都府中市)から、26年1月1日付でVチューバー事業を事業譲受することになったと発表しており、好材料視された。今回の事業譲受は、エンターテインメント領域の強化を目的としており、クラシルのライブ配信事業で培った知見を統合することで事業シナジーの創出を図る。取得価額は非開示。またATFは、アーティストやタレント、作家、クリエイターの育成などを手掛けるeleven(東京都渋谷区)からも1月1日付でVチューバー事業を事業譲受すると発表した。なお、これらの件による26年3月期業績予想の変更はないとしている。

■ベストワン <6577>  2,039円 (+38円、+1.9%)

 ベストワンドットコム <6577> [東証G]が続伸。1日午後2時30分ごろに発表した11月の月間予約受注額が4億4006万円(前年同月比80.5%増)となり、これまで月次予約受注額としては過去最高だった23年11月の3億8787万9000円を上回り過去最高額を更新したことが好感された。26年ゴールデンウィークに催行予定の同社チャータークルーズのコスタセレーナ金沢発着と、同じくゴールデンウィーク期間に催行されるMSCベリッシマの販売が好調で受注額が伸びた。また、ブラックフライデーセールウィークと題し、オンボードクレジット(船上おこづかい)を期間限定で増額したことによりダイヤモンド・プリンセスの受注額が伸びたことや、近年人気の冬季に行われるMSCベリッシマ那覇発着クルーズの受注が堅調であったことも受注額を押し上げた。

■三菱UFJ <8306>  2,463円 (+39.5円、+1.6%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が続伸。地銀株も買われ、日経平均株価が一時1000円を超す下げとなり主力株に下押し圧力が高まるなかで銀行株が逆行高を演じた。日銀の植田和男総裁は1日、名古屋市での金融経済懇談会でのあいさつで、18~19日の金融政策決定会合において「利上げの是非について、適切に判断したい」などと述べた。一連の発言を受けて市場では12月の利上げの可能性が高まったと受け止められており、金利上昇メリットセクターである銀行株の支援材料となっていた。植田総裁は最近の米国経済や関税政策を巡る不確実性の低下などを踏まえ、経済・物価の中心的な見通しが実現していく確度は少しずつ高まっていると指摘。12月の決定会合に向け、企業の賃上げスタンスに関して本支店を通じ、精力的に情報収集をしているところだとしたうえで、さまざまなデータや情報をもとに内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を点検・議論していく考えを表明した。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

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