ドル円、一気に155円を試す展開も トランプトレードが継続=NY為替概況

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ドル円、一気に155円を試す展開も トランプトレードが継続=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は一気に155円を試す展開も見られた。本日も為替市場はトランプトレードが続いており、休日明けの米国債利回りも上昇する中、ドル円は一気に上値を駆け上がった。200日線の上をしっかりと維持し、9月中旬からのリバウンド相場を堅持。目先は155円を突破し、155-160円のゾーンにレベルシフトできるか注目される。

 来年のトランプ政権誕生でドル高を見込む動きが根強い。減税や財政拡大によるインフレ再燃懸念もあるが、トランプ氏の貿易政策で、中国のみならず、特にユーロ圏経済への悪影響が懸念される中、米国一強への見方もドル高を支援しているようだ。

 また、ここに来てFRBの利下げ期待が後退していこともドルを後押し。12月FOMCについて短期金融市場では65%程度の確率で利下げを見込んでいる状況だが、先週の大統領選やFOMCの前は80%程度の確率で利下げを見込んでいた。明日は米消費者物価指数(CPI)の発表が控えているが、市場の期待に何らかの変化が出るか注目される。

 ユーロドルは一時1.06ドルを割り込む場面が見られた。4月につけた年初来安値を更新している。先週の米大統領選の結果を受けてストラテジストからは、ユーロの見通しの下方修正が相次いでいる。ユーロドルの新たな見解としてパリティ(1.00ドル)に向かって下落するとの声も出始めている状況。ここ数カ月間、多くのストラテジストがユーロの見通しを上方修正していたが、そこからの大転換となっている。

 来年のトランプ氏のホワイトハウス復帰で貿易摩擦の強まりが予想される中で、1期目と同様に中国はもちろんのこと、ユーロ圏経済への直接的影響も懸念されているようだ。中国経済がさらに悪化した場合、同国経済への依存度が比較的高いドイツ経済にも影響が及ぶことは必至と見られている。
 
 トランプ氏の返り咲きはユーロにとって考えられる最悪のシナリオだとの声も出ていた。1月のトランプ氏就任までにユーロドルは1.03ドルまで下落する可能性もあるという。

 ポンドドルも一時1.27ドル台前半まで下げ幅を拡大。きょうの下げで200日線を割り込んでおり、明日以降の動きが注目される。本日は英雇用統計が発表になっていたが、7-9月平均のILO失業率は4.3%と予想を上回っていた。一方、週平均賃金(賞与除く)は前年比4.8%と前回からは鈍化したものの予想は上回っており、底堅い雇用を示している。

 ただ、市場からは今回の英雇用統計を受けても、英中銀のスタンスに変化はないとの見方が大勢。4.8%の伸びは英中銀の推計と一致する。英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で早期の追加利下げに慎重姿勢も垣間見せ、市場では12月は据え置きとの見方が広がっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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