ドル円、一時140円前半まで下落 大幅利下げの可能性が再浮上 円高警戒も強い=NY為替概況

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ドル円、一時140円前半まで下落 大幅利下げの可能性が再浮上 円高警戒も強い=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は一時140円前半まで下落した。市場は来週のFOMCに注目しているが、0.25%ポイントの利下げが有力視されているものの、ここに来て0.50%ポイントの大幅利下げの可能性も再浮上している。

 一部報道でFOMC委員が利下げ幅を決めかねているといった報道や、ダドリー前NY連銀総裁がフォーラムで「大幅利下げに強い論拠があると考えている。自分なら何を求めるか分かる」との発言も思惑を高めているようだ。

 短期金融市場では45%の確率で大幅利下げを織り込んでおり、前日の28%から急上昇している。ただ、直近の米雇用統計やインフレ指標からは、あくまで景気減速の範囲で景気後退のシナリは正当化されておらず、来週の大幅利下げは必要ないといった意見も多い。

 オプション市場では来週の円高を警戒したポジションが拡大。来週はFOMCに続き日銀決定会合も予定されている。据え置きが確実視されているものの、植田総裁が追加利上げの意向をこれまで以上に強めるようであれば、円高が強まる可能性も警戒されているようだ。一部のストラテジストからは、ドル円は年末までに135円に達するとの見方が出ている。短期金融市場では年内の日銀の利上げの可能性を30%程度しか織り込んでおらず、その分、日銀が利上げに前向きな姿勢を強めれば、円高に傾き易いという。

 ユーロドルは買い戻しが継続。一時1.11ドル台を回復する場面が見られたが、1.11ドル台は維持できていない。ただ、下押す気配もない展開。ECBは前日に利下げを実施したが、今後については理事会ごとに判断するオープンな姿勢を強調し、追加利下げにはコミットしなかった。ただ一部では、FRBが大幅利下げを実施すればECBの10月利下げも可能性があるとの期待も出ているようだ。

 しかし、ECBが今回10月のヒントを示さなかったことで、10月はハードルが上がったとの指摘も出ている。ラガルド総裁は10月の理事会まで期間が短かい点に言及していたが、その分確認できる経済指標も少ないことから12月がメインシナリオだという。

 ポンドドルは終盤に伸び悩んだものの買戻しの流れが続き、一時1.31ドル台半ばまで買い戻されていた。本日は全体的にドル売りが優勢となり、米株式市場も堅調に推移したことからポンドドルは買い戻しの流れを継続している模様。週後半からの買い戻しで21日線を回復しており、来週以降上昇トレンドに復帰できるか注目される。

 来週は英中銀の金融政策委員会(MPC)が予定されているが、英中銀が追加利下げに対する慎重姿勢を維持すれば、ポンドは買われる可能性があるとの指摘も出ている。なお、英中銀は来週に利下げを行う可能性は低い。

 このところの英経済指標の強さから、市場はFRBのような英中銀の積極利下げを織り込めておらず、ポンドドルは底堅い推移を続ける可能性があるという。一方、ECBと英中銀の金融政策、ユーロ圏と英国の成長見通しの相違もポンド高を支える要因と指摘。

 ポンドは相対的に割高に見え始めてはいるが、英中銀が追加利下げを強く示唆しない限り、ポンドは対ユーロでの底堅い推移が見込まれるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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